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富士赤升麻(フジアカショウマ)

富士赤升麻(フジアカショウマ)

富士赤升麻(フジアカショウマ)はユキノシタ科チダケサシ属の多年草である。
日本固有種である。
本州の神奈川県、山梨県、静岡県に分布し、山地の草原や岩場に生える。
名の通り富士、箱根、丹沢に多く自生する。
フォッサマグナ要素の植物の1つである。
赤升麻(アカショウマ)の変種で、基本種に比べて全体にやや小さく、葉の緑が濃くて硬いという特徴がある。
なお、「赤升麻」の名の由来は、地下茎が赤いところからきている。
「升麻」というのは生薬名であるが、本種が薬草というわけではない。
キンポウゲ科の晒菜升麻(サラシナショウマ)の根茎が生薬に用いられることから、よく似た穂状の花をつける植物にこの名が充てられている。
草丈は20~30センチくらいである。
葉は3回3出複葉といって、枝分かれを繰り返して先に3出複葉(1つの葉が3枚の小さな葉に分かれた形)をつける。
小葉の形は長い卵形で、先が尖り、縁には浅いぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は6~7月である。
花穂は側枝があまり枝分かれをせず横に長く広がり、白い5弁花をたくさんつける。
萼片は緑白色だが、先がやや赤みを帯びる。
花びらは雄しべと同じくらいの長さになる。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Astilbe はギリシャ語の「a(無)+stilbe(光沢)」からきている。この属の1種の葉がヤマブキショウマ属と比べて艶がないということで名づけられた。
種小名の thunbergii はスウェーデンの植物学者で日本の植物を研究した「ツンベルクさんの」という意味である。
変種名の fujisanensis は「富士山の」という意味である。
写真は7月に東北大学植物園で撮った。
学名:Astilbe thumbergii var. fujisanensis


★横長に白い花穂を繰り広げ
 富士赤升麻岩場を飾り

富士赤升麻(フジアカショウマ)

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