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新・花の仲間調べ

仲間ごとに分類して季節の花をお届けします。

カテゴリー「ユリ科」の記事一覧

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鹿の子百合(カノコユリ)



俯けど色に出にけり鹿の子百合

鹿の子百合(カノコユリ)はユリ科ユリ属(リリウム属)の多年草である。
リリウム属は北半球の温帯を中心に100種くらいが分布する。
また、膨大な数の園芸品種が作出されている。
日本では古くから「ゆり」の呼称が用いられており、属名の和名はユリ属という。
「ゆり」の由来には諸説があり、中国名からきた「百合」の字が後から充てられたようである。
本種は四国から九州にかけて分布し、海岸の崖や山中の岩場に生える。
また、栽培もされており、庭植えや鉢植え、切り花とされる。
海外では、台湾の北部と中国の江西省にも分布している。
環境省のレッドリスト(2012)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。
自生地は限られており、四国では愛媛、徳島県の山間部、九州では薩摩半島から熊本、長崎、福岡の海岸線や薩摩川内市の甑島、佐世保市の南九十九島などに生える。
薩摩川内市、佐世保市、魚津市などが「市の花」に指定している。
草丈は100センチから150センチくらいである。
葉は線形で長さが10センチから18センチくらいあり、革質で艶がある。
開花時期は7月から8月である。
茎先で枝分かれをして、数個から十数個の花をやや下向きにつける。
花径は8センチから10センチくらいあり、花びら(花被片)は反り返っている。
花の色は白ないし淡い紅色で、内側に赤い斑点がある。
雄しべは6本、雌しべは1本である。
和名の由来は、花の斑点を鹿子絞りに見立てたものである。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
シーボルトがヨーロッパに紹介し、オランダで品種改良が行われて、カサブランカなどが生まれた。
鱗茎には食用になる。
また、生薬では百合(ひゃくごう)といい、滋養強壮、利尿、咳止め、解熱、消炎などの薬効がある。
土用百合(ドヨウユリ)、七夕百合(タナバタユリ)などの別名がある。
開花時期にちなんで名づけられたものであろう。
花言葉は「荘厳」「慈悲深さ」である。
俳句の季語は夏である。
8月2日の誕生花である。
属名の Lilium はギリシャ語の「leirion(白)」からきている。マドンナリリーの白い花を念頭に名づけられたものである。
種小名の speciosum は「華やかな」という意味である。
なお、環境省のレッドリストでは2012年版から学名をLilium speciosum var. speciosumに変更したが、YListではこの学名を島鹿の子百合(シマカノコユリ)のものとしており、相違がある。
写真は7月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Lilium speciosum(RDB:Lilium speciosum var. speciosum)

★俯けど色に出にけり鹿の子百合
 紅い斑点艶かしくて
☆鮮やかな紅い斑点鹿の子百合
 何を祈りて咲くその姿



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山百合(ヤマユリ)



山百合(ヤマユリ)はユリ科ユリ属(リリウム属)の多年草である。
リリウム属は北半球の温帯を中心に100種くらいが分布する。
また、膨大な数の園芸品種が作出されている。
日本では古くから「ゆり」の呼称が用いられており、属名の和名はユリ属という。
「ゆり」の由来には諸説があり、中国名からきた「百合」の字が後から充てられたようである。
本種は日本固有種である。
本州の東北地方から本州の近畿地方にかけて分布し、山地の林の縁や草地に生える。
また、庭植えにされる。
「山百合」の名称が充てられるようになったのは明治時代以降のことで、それ以前はそれぞれの地域名などで呼ばれていた。
草丈は100センチから150センチくらいである。
葉は披針形(笹の葉のような形)で、互い違いに生える(互生)。
開花時期は7月から8月である。
茎先に香りのよい漏斗状の花をつける。
花径は20センチくらいあり、大形である。
花被片は6枚である。
花の色は白く、花被片の先端が反り返るように横向きに咲く。
花被片の真ん中には黄色の筋が入り、赤褐色の斑点がある。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
鱗茎を乾燥させたものを生薬で百合(ひゃくごう)といい、鎮咳、解熱、利尿などの薬効がある。
また、鱗茎は食用にもなる。
神奈川県では「県の花」に指定されている。
花言葉は「荘厳」である。
俳句の季語は夏である。
7月14日の誕生花である。
属名の Lilium はギリシャ語の「leirion(白)」からきている。マドンナリリーの白い花を念頭に名づけられたものである。
種小名の auratum は「黄金色の」という意味である。
写真は7月に芦ノ湖野草園で撮った。
学名:Lilium auratum

★山百合のここにいますと咲く姿
 息飲むように佇み眺め
☆どこからか香り誘う山百合に
 姿なくとも想いを馳せて




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花火韮(ハナビニラ)



花火韮(ハナビニラ)はユリ科ネギ属(アリウム属)の多年草である。
分類体系によっては(APG第3版)ヒガンバナ科とされる。
APG体系でも初期にはネギ科とされていたが、ネギ科は第3版でヒガンバナ科の亜科に移行した。
アリウム属は北半球を中心に800種くらいが分布する。
また、多くの園芸品種が作出されている。
代表種は葱(ネギ)で、属名の和名はネギ属とされる。
本種は中国(黒龍江省、吉林省、遼寧省、河北省)、モンゴル、シベリアに分布し、標高100メートルから2000メートルの湿った草地や山の斜面、沿岸砂丘などに生える。
中国名は長梗韭という。
ハナビニラ属(Caloscordum)に分類されたこともあるが、現在はネギ属に統合されている。
草丈は20センチから50センチくらいである。
根際から生える葉は線形である。
開花時期は7月から9月である。
茎先に散房花序(柄のある花がたくさんつき、下部の花ほど柄が長いので花序の上部がほぼ平らになる)を出し、小さな淡い紅紫色の花をたくさんつける。
花被片の長さは7ミリから10ミリくらいで、花被片は6枚である。
雄しべは6本である。
韮(ニラ)のような臭いはしない。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Allium はニンニクの古いラテン名で、「alere ないし halium(どちらも「臭う」)」からきている。
種小名の neriniflorum は「ネリネ属(Nerine)のような花の」という意味である。
写真は7月に京都府立植物園で撮った。
日本ではまだほとんど紹介されていない。
学名:Allium neriniflorum(異名:Caloscordum neriniflorum)

★せっかくの名前もらった花火韮
 夏の夜空に負けず花咲け



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枝打ち稚児百合(エダウチチゴユリ)



枝打ち稚児百合(エダウチチゴユリ)はユリ科チゴユリ属(ディスポルム属)の多年草である。
分類体系によっては(APGIII)イヌサフラン科とされる。
ディスポルム属はアジアに20種くらいが分布する。
日本にも稚児百合(チゴユリ)などが分布し、属名の和名をチゴユリ属という。
本種は、分類上は稚児百合(チゴユリ)の変種とされている。
特徴は茎先で枝分かれをしてそれぞれの先に花をつけることである。
ただし、現在では両者を区別しない考えが支配的で、YListでも区別していない。
中間型が多く、明確に区別できないからである。
基本種は北方領土を含む北海道から九州にかけて分布し、山地や丘陵地の林の中に生える。
海外では、中国、朝鮮半島、サハリンなどにも分布する。
草丈は20センチから40センチくらいである。
葉は長い楕円形で、向かい合って生える(対生)。
葉の先は鋭く尖り、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。
開花時期は4月から5月である。
茎先に白い小さな花を下向きにつける。
花の色は緑色がかったものもある。
花被片は6枚である。
花被片の長さは10ミリから15ミリくらいである。
雄しべは6本、雌しべは1本である。
花の後にできる実は液果(果皮が肉質で液汁が多い実)で、熟すと黒くなる。
属名の Disporum はギリシャ語の「dis(二重の)+spora(種子)」からきている。子房の各室に2つの胚珠があることから名づけられた。
種小名の smilacinum は「シオデ属(Smilax)の」という意味である。
変種名の ramosum は「枝分かれした」という意味である。
写真は5月に神代植物公園の野草展(東京山草会)で撮った。
学名:Disporum smilacinum var. ramosum

★微細なる差異を求めて数々の
 議論重ねし試みの跡



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花菅(ハナスゲ)



花菅(ハナスゲ)はユリ科ハナスゲ属(アネマルヘナ属)の多年草である。
分類体系によっては(APGIII)キジカクシ科とされる。
アネマルヘナ属は1属1種である。
本種に花菅(ハナスゲ)の和名があり、属名の和名もハナスゲ属という。
原産地は、朝鮮半島、中国の東北部や華北地方、モンゴルなどである。
日本へは江戸時代の中期(享保年間)に薬用として渡来した。
生薬名を知母(ちも)といい、消炎、解熱、鎮静、利尿などの薬効がある。
草丈は50センチから100センチくらいである。
根際から生える葉は線形である。
葉の表面は淡い緑白色で艶がない。
裏面は緑色で艶がある。
開花時期は5月から6月である。
茎先に緑色ないし淡い紫色をした筒状の花をたくさんつける。
花は一日花で夜間に開花する。
花の後にできる実は長い卵形のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)で、中に翼のある黒い種子がある。
和名の由来は、葉が「菅」に似ていて花がそれより美しいというところからきている。
属名の Anemarrhena はギリシャ語の「anemos(風)+arrhen(男性、強い)」からきている。風に強いという意味かと推測される。
種小名の asphodeloides は「ツルボラン属(Asphodelus)に似た」という意味である。
写真は7月に東京都薬用植物園で撮った。
学名:Anemarrhena asphodeloides

★花菅は菅の仲間と違うのか
 名づけ方にはいろいろあるね




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