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新・花の仲間調べ

仲間ごとに分類して季節の花をお届けします。

カテゴリー「ユキノシタ科」の記事一覧

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蝦夷酸塊(エゾスグリ)



蝦夷酸塊(エゾスグリ)はユキノシタ科スグリ属(リベス属)の落葉低木である。
分類体系によっては(クロンキスト・APGIII)スグリ科とされる。
リベス属は北半球を中心に150種くらいが分布する。
日本にも酸塊(スグリ)などが分布するので、属名の和名はスグリ属という。
本種は北方領土を含む北海道と本州(岩手,山形,山梨)に分布し、山地の沢沿いなどの林の中に生える。
海外では、サハリンにも分布する。
樹高は1メートルから2メートルである。
葉は手のひら状に5つに裂け、互い違いに生える(互生)。
葉の縁には重鋸歯(大きなぎざぎざに更に細かなぎざぎざがある)がある。
開花時期は5月から6月である。
長さ5ミリから6ミリの短い鐘形をした目立たない紅紫色の花をたくさんつける。
花の後にできる実は球形の半透明な液果(水分が多く柔らかい果皮をもつ果実)で、秋に赤く熟する。
実は甘酸っぱく、食用になる。
属名の Ribes はデンマーク語の「ribs(赤い色のスグリ)」からきている。
種小名の latifolium は「広葉の」という意味である。
写真は6月に北大植物園で撮った。
学名:Ribes latifolium

★酸っぱさを思い出しつつ懐かしき
 姿再びこの目で確かめ




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城ヶ崎(ジョウガサキ)



額紫陽花(ガクアジサイ)はユキノシタ科アジサイ属の落葉低木である。
分類体系によってはアジサイ科とされる。
原産地は日本である。
紫陽花(アジサイ)の原種で、関東地方、中部地方、伊豆諸島、小笠原諸島などに分布し、暖地の海岸の斜面に生える。
城ヶ崎(ジョウガサキ)はその品種の1つで、伊豆の城ヶ崎海岸で発見された。
特徴は装飾花が八重咲きをすることである。
樹高は2~3メートルくらいである。
葉は卵形で厚く、向かい合って生える(対生)。
開花時期は5~7月である。
花序の周辺には八重咲きをする花びら(萼片)でできた装飾花がある。
中央部は両性花になっている。
両性花は花径1センチにも満たない5弁花である。
花の色は淡い青紫色である。
属名の Hydrangea はギリシャ語の「hydro(水)+angeion(容器)」からきている。さく果の形からから名づけられた。
種小名の macrophylla は「大きな葉の」という意味である。
品種名の normalis は「通常の」という意味である。
園芸品種名の Jogasaki は自生地である「(伊豆の)城ヶ崎」のことである。
写真は7月に小石川植物園で撮った。
学名:Hydrangea macrophylla f. normalis 'Jogasaki'

★八重の夢羽ばたかせ咲く城ヶ崎
 自然が生んだ宝の小箱




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サキシフラガ・ケベンネンシス



サキシフラガ・ケベンネンシスはユキノシタ科ユキノシタ属(サキシフラガ属)の多年草である。
サキシフラガ属は世界に440種くらいが分布する。
日本にも雪の下(ユキノシタ)などが分布するので、属名の和名をユキノシタ属という。
本種の原産地はフランス南部である。
草丈は5センチから10センチくらいである。
葉や茎には疎らに毛が生える。
根際から生える葉はくさび状で3つに裂ける。
開花時期は5~6月である。
茎先に小さな白い5弁花をつける。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Saxifraga はラテン語の「saxum(石)+frangere(砕く)」からきている。この属のある植物が尿の結石を溶かす作用があると考えられたことから名づけられた。
種小名の cebennensis はフランス南部にある山岳地「ケベネ地方(Cevennes region)の」という意味である。
写真は4月に箱根湿生花園で撮った。
学名:Saxifraga cebennensis

★這いながらこんもり茂る姿見て
 いかにもこれは山地の育ち




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ロジャーシア・ピンナタ



ロジャーシア・ピンナタはユキノシタ科ヤグルマソウ属(ロジャーシア属)の多年草である。
ロジャーシア属は東アジアに6種が分布する。
日本にも矢車草(ヤグルマソウ)が分布するので、属名の和名をヤグルマソウ属という。
本種の原産地は中国の南西部で、四川省や雲南省に分布する。
草丈は70~120センチくらいである。
根際から生える葉は、5枚から9枚くらいに裂ける羽状複葉である。
開花時期は5~7月である。
茎先に円錐花序(枝分かれして全体が円錐状に見える)を出し、白やクリーム色、ピンクなどの小さな花をたくさんつける。
花には花弁はなく、5枚の萼片が花弁化している。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Rodgersia はこの植物を採集したアメリカの海軍士官「ロジャース(John Rodgers, 1812-1882)さん」の名からきている。
種小名の pinnata は「羽状の」という意味である。
写真は6月に富山県中央植物園で撮った。
学名:Rodgersia pinnata

★咲く花は目を奪うほど美しく
 矢車草のイメージ変える




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草紫陽花(クサアジサイ)



草紫陽花(クサアジサイ)はユキノシタ科クサアジサイ属の多年草である。
分類体系によってはアジサイ科とされる。
日本固有種である。
本州の東北地方南部から四国、九州にかけて分布し、やや湿った林の中に生える。
草丈は20~70センチくらいである。
葉は幅の広い披針形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尾状に尖る。
開花時期は7~9月である。
茎先に散房花序(柄のある花がたくさんつき、下部の花ほど柄が長いので花序の上部がほぼ平らになる)を出し、淡い紅紫色ないし白い小さな両性花をたくさんつける。
花序の周りには、萼片が変化した3枚の装飾花がつく。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Cardiandra はギリシャ語の「cardia(心臓)+andron(雄しべ)」からきている。心臓形の雄しべを持つという意味である。
種小名の alternifolia は「互生葉の」という意味である。
写真は8月に日光植物園で撮った。
学名 Cardiandra alternifolia


★草だけど花の姿は山に咲く
 紫陽花のよう飾りをつけて




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