新・花の仲間調べ
仲間ごとに分類して季節の花をお届けします。
鹿の子百合(カノコユリ)
鹿の子百合(カノコユリ)はユリ科ユリ属の多年草である。
四国から九州にかけて分布し、海岸の崖や山中の岩場に生える。
また、栽培もされる。
海外では、台湾の北部と中国の江西省にも分布している。
環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。
自生地は限られており、四国では愛媛、徳島県の山間部、九州では薩摩半島から熊本、長崎、福岡の海岸線や薩摩川内市の甑島、佐世保市の南九十九島などに生える。
薩摩川内市、佐世保市、魚津市などが「市の花」に指定している。
草丈は100センチから150センチくらいである。
葉は線形で長さが10センチから18センチくらいあり、革質で艶がある。
開花時期は7月から8月である。
茎先で枝分かれをして、数個から十数個の花をやや下向きにつける。
花径は8センチから10センチくらいあり、花びら(花被片)は反り返っている。
花の色は白ないし淡い紅色で、内側に赤い斑点がある。
雄しべは6本、雌しべは1本である。
名の由来は、花の斑点を鹿子絞りに見立てたものである。
シーボルトがヨーロッパに紹介し、オランダで品種改良が行われて、カサブランカなどが生まれた。
鱗茎には食用になる。
また、生薬では百合(ひゃくごう)といい、滋養強壮、利尿、咳止め、解熱、消炎などの薬効がある。
土用百合(ドヨウユリ)、七夕百合(タナバタユリ)などの別名がある。
開花時期にちなんで名づけられたものであろう。
俳句の季語は夏である。
写真は7月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Lilium speciosum
★俯けど色に出にけり鹿の子百合
紅い斑点艶かしくて
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