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新・花の仲間調べ

仲間ごとに分類して季節の花をお届けします。

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フレンチラベンダー



フレンチラベンダー(French lavender)はシソ科ラバンデュラ属の常緑小低木である。
ラバンデュラ属は地中海沿岸地方を中心に40種くらいが分布する。
また、新たにさまざまな栽培品種が作出されている。
本種の原産地も地中海沿岸地方である。
別名をストエカスラベンダー(Stoechas lavender)といい、ストエカス種ともいわれている。
本種は、花穂の先つく花弁状の苞が目立ち、園芸的に人気がある。
また、耐暑性に優れているので日本の気候にも適合している。
樹高は30センチから60センチくらいである。
葉は羽状に切れ込み、灰色を帯びる。
開花時期は5月から8月くらいである。
花の色は濃い紫色で、花穂の長さは5センチくらいである。
花冠は唇形で、上唇が2つ、下唇が3つに裂ける。
花穂の先に花弁状の苞(葉の変形したもの)があるのが特徴である。
花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)で、4つのブロックからなる。
精油は抗菌作用などがあり薬用とされるほか、香水や化粧水、入浴剤などの原料として栽培される。
花言葉は「私に答えてください」である。
属名の Lavandula はラテン語の「lavare(洗う)」からきている。ローマ時代に入浴時の香水として使われていたことから名づけられた。
種小名の stoechas はギリシャ語でフレンチラベンダーを指す古語からきている。
写真は4月につくば植物園で撮った。
学名:Lavandula stoechas

★ちょんと出る兎の耳が可愛いね
 風にゆらゆらフレンチラベンダー



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ベルバスクム・オリンピクム



ベルバスクム・オリンピクムはゴマノハグサ科モウズイカ属(ベルバスクム属)の多年草である。
ベルバスクム属は地中海沿岸地方を中心に、アジアやヨーロッパに250種くらいが分布する。
園芸的にはバーバスカムという英語風の呼び名が使われている。
日本へは毛蕋花(モウズイカ)などが導入されていて、属名の和名はモウズイカ属という。
本種は、ギリシャとトルコに分布する。
英名はグレックマレイン(Greek mullein)という。
マレインは毛蕋花(モウズイカ)の仲間を指すことばで、イングリッシュガーデンで人気がある。
草丈は50センチから200センチくらいである。
根際から生える葉は楕円形で、ロゼット状となり大きい。
葉は全体を白い綿毛が覆い、ビロード状で美しい。
茎につく葉は互い違いに生え(互生)、茎の上部へいくほど小さくなる。
開花時期は5月から9月くらいである。
花茎を伸ばして穂状の総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、黄色い5弁花を疎らにつける。
花径は3センチくらいである。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Verbascum はラテン語の「barba(ひげ)」からきている。
種小名の olympicum は「(ギリシャの)オリンピアの」という意味である。
写真は5月につくば植物園で撮った。
学名:Verbascum olympicum

★ずんと咲く背高のっぽのマレインに
 後ずさりして腕組み眺め



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アガペテス・ラケイ



アガペテス・ラケイはツツジ科アガペテス属の常緑低木である。
アガペテス属はヒマラヤからオーストラリアにかけて95種くらいが分布する。
本種は雲南省の西部、チベット自治区の南部、ミャンマーなどに分布する。
中国名は燈籠花という。
標高1500メートルから2200メートルの森の中で樹木などに着生し、よじ登る。
樹高は1メートルくらいである。
葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の質は革質である。
開花時期は1月から6月である。
葉の脇に花径15ミリから20ミリくらいの筒状花を下垂させる。
花の色は赤い。
花冠の先は5つに裂け、緑色をしている。
花の後にできる実は直径4ミリくらいの球形の液果(果皮が肉質で液汁が多い実)である。
結実期は7月で紅紫色に色づく。
属名の Agapetes はギリシャ語の「agapetos(愛しい)」からきている。この属の植物の華やかな姿から名づけられた。
種小名の lacei は人名ないし地名由来と思われる。
写真は5月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Agapetes lacei

★美しい赤と緑の取り合わせ
 ときめくような自然の姿



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フロックス・ニバリス



フロックス・ニバリスはハナシノブ科クサキョウチクトウ属(フロックス属)の多年草である。
フロックス属は北アメリカを中心に60種以上が分布する。
同属のフロックス・パニクラタ(Phlox paniculata)に草夾竹桃(クサキョウチクトウ)の和名があり、属名の和名をクサキョウチクトウ属という。
本種の原産地も北アメリカである。
アメリカ合衆国の南部や東部に分布する。
また、いくつかの園芸品種が作出されている。
英名はトライリングフロックス(trailing phlox)である。
トライリングは「這っている」という意味である。
草丈は10センチから20センチくらいである。
茎は地を這って横に広がる。
葉は針のような線形で、根際ではマット状となる。
茎につく葉は向かい合って生える(対生)。
開花時期は3月から5月である。
花の色は紅色、桃色、白などのものがある。
花径は2センチくらいで、花冠は5つに深く裂ける。
裂片には切れ込みが入らない。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Phlox はギリシャ語の「phlogos(火炎)」からきている。リクニス属の古名であったものが転用された。
種小名の nivalis は「雪の時期の」という意味である。
写真は5月に神戸の六甲高山植物園で撮った。
学名:Phlox nivalis

★雨の中うな垂れて咲くニバリスは
 寒さにじっと耐えてはいるが



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リベルティア・フォルモサ



リベルティア・フォルモサはアヤメ科リベルティア属の多年草である。
リベルティア属は南半球に15種くらいが分布する。
本種の原産地はチリである。
異名をリベルティア・チレンシス(Libertia chilensis)やリベルティア・グランディフローラ(Libertia grandiflora)という。
草丈は30センチから60センチくらいである。
根際から生える葉は革質で硬く、幅の狭い剣状である。
開花時期は4月から5月である。
花茎の先に数輪ずつ小さな白い花をつける。
花径は30ミリくらいで、花被片は6枚である。
外花披片は小さく3弁花のように見える。
雄しべが花冠から突き出している。
花は一日花である。
花の後にできる実は球形のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Libertia はベルギー人の植物学者「リベール(Marie-Anne Libert, 1782-1865)さん」の名からきている。
種小名の formosa は「美しい」という意味である。
写真は5月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Libertia formosa(syn. Libertia chilensis, Libertia grandiflora)

★調べるも骨が折れるよチリの花
 地球の裏に広がる世界



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