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新・花の仲間調べ

仲間ごとに分類して季節の花をお届けします。

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大小真弓(オオコマユミ)



大小真弓(オオコマユミ)はニシキギ科ニシシギ属(エウオニムス属)の落葉低木である。
エウオニムス属は世界の温帯地方や熱帯地方に220種くらい分布する。
日本にも錦木(ニシキギ)などが分布し、属名の和名をニシシギ属という。
本種は小真弓(コマユミ)の近縁種で、葉が大きく厚いのが特徴である。
北海道から本州にかけて分布し、低山や山地の林の中や林の縁に生える。
海外では、済州島にも分布する。
樹高は2メートルから3メートルである。
枝にはコルク質の翼(よく)がない。
翼があるものは錦木(ニシキギ)として区別する。
葉は長い楕円形で、向かい合って生える(対生)。
葉の先は尖り、縁には鋭く細かいぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は5月から6月である。
葉の脇から集散花序(最初の花が枝先につき、その下に次々と側枝を出して花がつく)を出し、淡い緑色の小さな花を数個ずつつける。
花径は7ミリ前後で、花弁は4枚である。
萼片は4枚、雄しべは4本、雌しべは1本である。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
熟すと縦に裂けて開き、朱色の仮種皮に包まれた種子をぶら下げる。
属名の Euonymus はギリシャ語の「eu(良)+onoma(名)」からきている。評判のいいといった意味合いである。
種小名の alatus は「翼のある」という意味である。
変種名の rotundatus は「円形の」という意味である。
写真は4月に大阪市大植物園で撮った。
学名:Euonymus alatus var. rotundatus

★また一つ難しい樹が現れた
 存在だけは知っておこうか



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弘法芝(コウボウシバ)



弘法芝(コウボウシバ)はカヤツリグサ科スゲ属の多年草である。
北方領土を含む北海道から沖縄にかけて分布し、海岸の砂地に生える。
海外では、サハリン、朝鮮半島、台湾、中国から東南アジア、オーストラリア、南アメリカにかけて広く分布する。
草丈は10センチから20センチくらいである。
地下茎は太くて長く、砂の中を這って広がる。
根際から生える葉は線形で硬く、白っぽい緑色である。
開花時期は4月から7月である。
茎先に茶褐色の雄小穂、葉の脇に緑色の雌小穂をつける。
和名の由来は、弘法麦(コウボウムギ)に似て小形であるところからきている。
弘法麦(コウボウムギ)は雌雄異株である。
「弘法」は弘法大師のことである。
土の中の根を筆にしたといわれ、それを達筆な弘法大師になぞらえたという。
属名の Carex はギリシャ語の「keirein(切る)」からきている。葉が鋭いことから名づけられた。
種小名の pumila は「小人のような」という意味である。
写真は6月に富山県の氷見市海浜植物園で撮った。
学名:Carex pumila

★根は太く砂にもぐって這い進む
 弘法芝は砂浜の草




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藪人参(ヤブニンジン)



藪人参(ヤブニンジン)はセリ科ヤブニンジン属(オスモルヒザ属)の多年草である。
オスモルヒザ属はアジアと北アメリカに10種くらいが分布する。
日本にも本種などが分布し、属名の和名をヤブニンジン属という。
本種は北方領土を含む北海道から九州にかけて分布し、山地の林の中などに生える。
海外では、朝鮮半島、台湾、中国、サハリン、シベリア、ウスリー、アムール、インド、カフカスなどに広く分布する。
草丈は30センチから60センチくらいである。
茎は直立し、上部で枝分かれをする。
葉は2回3出複葉で、互い違いに生える(互生)。
3出複葉は三つ葉のことで、もう1回枝分かれした先にそれぞれ三つ葉をつける。
小葉の形は卵形である。
葉の質は薄くて軟らかく、両面に毛が生える。
葉の縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉の裏面は白っぽい。
開花時期は4月から6月である。
枝先に複数の散形花序(枝先に1個つずつ花がつく)を組み合わせて出し、花径1ミリから2ミリの小さな白い花を疎らにつける。
花弁は5枚で、内側に曲がる。
花の後にできる実は棍棒のような形の分果(複数の子房からできた果実)で、先に棘状の突起がある。
和名の由来は、葉が人参(ニンジン)に似て藪に生えることからきている。
根茎は生薬で藁本(こうほん)といい、鎮痛、鎮痙などの薬効がある。
花言葉は「喜び」である。
属名の Osmorhiza はギリシャ語の「osme(香り)+rhiza(根)」からきている。
種小名の aristata は「芒(のぎ)のある」という意味である。
写真は6月に信州の上高地で撮った。
学名:Osmorhiza aristata

★花びらの数も少なく小さいが
 今が花どき藪人参は



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鈴蘭の木(スズランノキ)



鈴蘭の木(スズランノキ)はツツジ科ゼノビア属の落葉低木である。
ゼノビア属は1属1種である。
表記の名は流通名である。
ただし、この名称はつくば植物園でも使用しているので、和名と言っていいのかもしれない。
属名のゼノビアの名でも流通している。
原産地は北アメリカの東南部で、バージニア州からサウスカロライナ州にかけて分布する。
英名はハニーカップ (honeycup) という。
日本では庭植えや鉢植えにして栽培されている。
樹高は100センチから150センチくらいである。
若い枝は灰白色を帯びる。
葉は卵形で、互い違いに生える(互生)。
開花時期は5月から6月である。
花径1センチくらいの小さな白い花を枝先にまとまってつける。
花冠は鐘形で、先が浅く5つに裂ける。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
秋の紅葉が美しいことでも知られ、錦木(ニシキギ)やいろはいろは楓(イロハカエデ)とともに世界3大紅葉樹の1つとされている。
花言葉は「恋わずらい」である。
属名の Zenobia は古代都市国家パルミラの女王ゼノビア (Zenobia Septimia, 240-274) の名からきている。
種小名の pulverulenta は「粉っぽい」という意味である。
写真は6月に埼玉県花と緑の振興センターで撮った。
紅葉は11月につくば植物園で撮った。
学名:Zenobia pulverulenta

★ぶら下がる花の姿が鈴蘭を
 髣髴とさせ人気を呼んで





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プラティテカ・ガリオイデス



プラティテカ・ガリオイデスはホルトノキ科プラティテカ属の常緑小低木である。
プラティテカ属はオーストラリアに数種が分布する。
かつてはトレマンドラ科に分類されていた。
原産地はオーストラリアの南西部である。
日本へ渡来した時期は不明である。
流通名をブルーコメット(Blue Comet)という。
樹高は50センチから80センチくらいである。
葉は細い線形で、8枚ずつ輪生する。
開花時期は4月から6月である。
葉の脇に濃い青紫色の花を下向きにつける。
花径は15ミリから20ミリくらいである。
花弁数は5枚で横に開く。
萼片数も5枚で星形になる。
萼の色は紅紫色である。
属名の Platytheca はギリシャ語の「platys(広い)+theca(ケース、葯室)」からきている。
種小名の galioides は「(アカネ科の)ヤエムグラ属(Galium)に似た」という意味である。
写真は6月につくば植物園で撮った。
学名:Platytheca galioides

★葉を見ればエリカのような姿だよ
 ブルーコメットは豪州育ち



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