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新・花の仲間調べ

仲間ごとに分類して季節の花をお届けします。

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姫青木(ヒメアオキ)



姫青木(ヒメアオキ)はミズキ科アオキ属(アウクバ属)の常緑低木である。
分類体系によっては(APGIII)アオキ科とされる。
アウクバ属はアジアに3種から10種が分布する。
日本にも青木(アオキ)などが分布し、属名の和名はアオキ属という。
本種は日本固有種である。
北海道から本州にかけて主に日本海岸に分布し、林の中に生える。
分類上は、青木(アオキ)の北方型変種とされている。
基本種よりも小形なので「姫」の文字が充てられている。
「青木」の和名の由来は、枝が緑色をしていることからきている。
樹高は1メートルから2メートルである。
幹は直立をせず、横に這う。
葉は長い楕円形で、向かい合って生える(対生)。
葉には柄があり、葉のつけ根の部分はくさび形、葉の先は鋭く尖る。
葉の縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。
若い枝や葉の裏面に微毛が生えるのが特徴である。
開花時期は3月から5月である。
雌雄異株である。
葉の脇から穂状花序(柄のない花が花茎に均等につく)を出し、暗い紫褐色の花をつける。
花の後にできる実は艶のある楕円形の核果(水分を多く含み中に種が1つある)で、赤く熟する。
花言葉は「若く美しく」である。
属名の Aucuba は日本語の「アオキバ(方言名)」からきている。
種小名の japonica は「日本の」という意味である。
変種名の borealis は「北方系の」という意味である。
写真は4月につくば植物園で撮った。
学名:Aucuba japonica var. borealis

★少しだけ葉も小さいね姫青木
 雪積もっても負けないように



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臥竜梅(ガリュウバイ)



梅(ウメ)バラ科サクラ属の落葉小高木である。
中国原産で、日本へは古代に渡来した。
臥竜梅(ガリュウバイ)は梅(ウメ)の栽培品種の1つである。
樹高は3メートルから6メートルくらいである。
幹は背が低いが枝が地上を這って伸び、それが竜の臥す姿を思わせる。
葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。
開花時期は2月から3月である。
葉の展開に先立って花を咲かせる。
野梅系・野梅性の八重咲きの中輪(20から25ミリ)である。
花の色は白いものと紅色のものがある。
属名の Prunus は「plum(スモモ)」を意味する。
種小名の mume は「梅」のことである。
写真は3月に水戸市の弘道館公園で撮った。
原木は松島の瑞巌寺由来のもので、朝鮮出兵の折に伊達政宗が持ち帰ったものを植えさせたという。
学名:Prunus mume 'Garyubai'

★花と花重なり合って咲く姿
 綺麗だけれど団子思わせ



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塒出錦(トヤデニシキ)



梅(ウメ)バラ科サクラ属の落葉小高木である。
中国原産で、日本へは古代に渡来した。
塒出錦(トヤデニシキ)は梅(ウメ)の栽培品種の1つである。
塒(とや)は「鳥の巣」や「鳥籠」を意味する言葉である。
樹高は3メートルから6メートルくらいである。
葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。
開花時期は2月から3月である。
葉の展開に先立って花を咲かせる。
野梅系・野梅性の八重咲きの中輪(20から25ミリ)である。
花の色は淡い桃色である。
撮影地によっては花の色はもっと濃いものもあるようである。
錦性(にしきしょう)という盆栽の用語があり、梅の場合には若い枝に雲状の斑点が錦状に入ることを意味する。
枝は夏期には赤くなる。
属名の Prunus は「plum(スモモ)」を意味する。
種小名の mume は「梅」のことである。
写真は3月に水戸市の偕楽園で撮った。
学名:Prunus mume 'Toyadenishiki'

★皺皺に花弁重ねて花開く
 なるほどこれは寝床のようだ




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山鶯神楽(ヤマウグイスカグラ)



山鶯神楽(ヤマウグイスカグラ)はスイカズラ科スイカズラ属(ロニケラ属)の落葉低木である。
ロニケラ属は北半球に180種くらいが分布する。
属名の読み方は英語風にロニセラとするものもある。
日本にも吸葛(スイカズラ)など20種くらいが分布し、属名の和名をスイカズラ属という。
本種は日本固有種である。
本州の東北地方から九州にかけて分布し、山地や丘陵地に生える。
樹高は2~4メートルくらいである。
よく枝分かれをする。
葉は卵形ないし菱形で、向かい合って生える(対生)。
葉の縁や葉脈上には毛が生えている。
若い枝や葉の柄、花の柄にも毛が多い。
鶯神楽(ウグイスカグラ)には毛は生えていない。
深山鶯神楽(ミヤマウグイスカグラ)は毛の中に蜜腺も交じる。
開花時期は3月から5月である。
葉の脇に長さ2センチくらいの淡い紅色をした漏斗形の花を1輪から2輪つける。
花の先は5つに裂けており、ぶら下がって咲く。
雄しべは5本で短い。
柱頭(雌しべの先端で花粉の付着する部分)が雄しべよりも飛び出している。
花の後にできる実は液果(果皮が肉質で液汁が多い実)で、赤く熟したものは食用にもなる。
和名の由来は、鶯が繁みの陰で岩戸神楽を舞っていると見立てたものだという。
花言葉は「未来を見つめる」である。
属名の Lonicera はドイツ人の植物学者「ロニツァー(Adam Lonitzer, 1528-1586)さん」の名からきている。
種小名と変種名の gracilipes は「gracilis(細い)+pes(足)」からきている。足は花茎を指している。
写真は3月に水戸市植物公園で撮った。
学名:Lonicera gracilipes var. gracilipes

★仲間との違いほんの少しだけ
 赤く熟した実が美味しそう




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粗毛紫(アラゲムラサキ)



粗毛紫(アラゲムラサキ)はムラサキ科アラゲムラサキ属(アムシンキア属)の一年草である。
アムシンキア属は南北アフリカなどに20種くらいが分布する。
属名の和名はワルタラビラコ属とされることもある。
本種の原産地は北アメリカである。
日本では戦後に帰化植物として確認されている。
現在は、北海道から四国にかけて分布するが、個体数は多くはない。
北海道のブルーリストではBランク(北海道に定着している外来種)に選定されている。
また、国立環境研究所の「侵入生物データベース」にも登録されている。
草丈は20センチから30センチくらいである。
全体に毛がとても多い。
茎は紅紫色を帯びる。
葉は披針形(笹の葉のような形)で、互い違いに生える(互生)。
葉の質は分厚く、濃い緑色をしている。
開花時期は春である。
先に集散花序(最初の花が枝先につき、その下に次々と側枝を出して花がつく)を出し、黄色の花をつける。
花冠の先は5つに深く裂ける。
花冠は周辺部が淡い黄色、喉の部分が濃い黄色になる。
花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)で、4つのブロックからなる。
属名の Amsinckia はドイツの政治家でハンブルグ植物園の後援者だった「アムシンク(Wilhelm Amsinck, 1792-1860)さん」の名からきている。
種小名の barbata は「ひげの生えた」という意味である。
写真は5月に小石川植物園で撮った。
学名:Amsinckia barbata

★ぶつぶつの葉っぱがどこか怪しいよ
 強そうなんだ粗毛紫



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