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大半夏(オオハンゲ)



大半夏(オオハンゲ)はサトイモ科ハンゲ属の多年草である。
日本固有種である。
本州の関東地方から沖縄にかけて分布し、山地の暗い林の中に生える。
草丈は40~60センチくらいである。
葉は1~4枚つき、3つに深く裂けて三つ葉のように見える。
葉の柄の長さは20~40センチくらいある。
開花時期は6~8月である。
茎先に緑色の仏炎苞(棒状の花を包み込む苞を仏像の背景にある炎形の飾りに見立てたもの)をつける。
仏炎苞に包まれるようにして棒状の肉穂花序(花軸が多肉化して花が表面に密生したもの)を出す。
花の後にできる実は液果(果皮が肉質で液汁が多い実)である。
漢名を半夏(ハンゲ)という烏柄杓(カラスビシャク)と似ていて大形というのが名の由来である。
烏柄杓(カラスビシャク)は日当たりのよい所に生える。
また、花の付属体を比べると、大半夏(オオハンゲ)のほうは太くて長い緑色だが、烏柄杓(カラスビシャク)のほうは細くて短く、つけ根のところが黒い。
さらに、大半夏(オオハンゲ)は葉の柄に球芽(むかご)ができるなどの違いがある。
属名の Pinellia はイタリアの植物学者「ピネリ(G. V. Pinelli)さん」の名からきている。
種小名の tripartita は「3つに深く裂けた」という意味である。
写真は7月に水戸市植物公園で撮った。
学名:Pinellia tripartita


★にょっきりと首をもたげて大半夏
 負けはせぬわと存在示し




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