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姫浦島草(ヒメウラシマソウ)



姫浦島草(ヒメウラシマソウ)はサトイモ科テンナンショウ属(アリサエマ属)の多年草である。
アリサエマ属は世界の温帯から熱帯にかけて150種くらいが分布する。
日本にも天南星(テンナンショウ)など30種くらいが分布し、属名の和名をテンナンショウ属という。
本種は日本固有種である。
本州の山口県と九州に分布し、林の中に生える。
浦島草(ウラシマソウ)に似るが矮性種である。
草丈は30センチから40センチくらいである。
葉は鳥足状に裂けており、普通は1枚がつく。
開花時期は4月から5月である。
雌雄異株である。
テンナンショウ属特有の仏炎苞(棒状の花を包み込む苞を仏像の背景にある炎形の飾りに見立てたもの)がある。
仏炎苞は暗い紫色で、縦に白い筋がある。
内側にキノコ形(T字形)の白い紋があるのが特徴である。
また、花穂から付属体が細長いひも状に伸び上がり、途中から垂れ下がる。
この姿を浦島太郎の釣り糸に見立てたのが「浦島草」の名の由来である。
花の後にできる実は液果(果皮が肉質で液汁が多い実)の集合果である。
なお、テンナンショウ属の植物はサポニンを含む毒草である。
属名の Arisaema はギリシャ語の「aris(植物名の1つ)+haima(血)」からきている。血のような斑点が葉にある植物といった意味合いになる。
種小名の kiushianum は「九州の」という意味である。
写真は5月に神代植物公園の野草展(東京山草会)で撮った。
学名:Arisaema kiushianum

★小さいが姿のほほん釣り糸を
 垂らす仕草はいつに変わらず



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