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新・花の仲間調べ

仲間ごとに分類して季節の花をお届けします。

カテゴリー「サトイモ科」の記事一覧

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ビロード葛(ビロードカズラ)



ビロード葛(ビロードカズラ)はサトイモ科フィロデンドロン属の蔓性常緑多年草である。
原産地はコロンビアである。
日本へは、観葉植物として明治時代の中期に渡来した。
気根を出して木などをよじ登る。
葉は幅の広い卵形で、長さは30~40センチ、幅も20センチくらいあり大形である。
葉にはビロードのような艶があり、濃い緑色をしている。
また、葉脈が黄白色となり、そのコントラストが美しい。
属名の Philodendron はギリシャ語の「phileo(愛する)+dendron(樹木)」からきている。樹木に絡みつくことから名づけられた。
種小名の andreanum はフランス人の植物学者「アンドレ(M. Andre)さんの」という意味である。
写真は9月に富山県中央植物園で撮った。
学名:Philodendron andreanum


★艶やかでうっとりとする肌ざわり
 葉が美しいビロード葛




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姫海芋(ヒメカイウ)



姫海芋(ヒメカイウ)はサトイモ科ヒメカイウ属の多年草である。
北海道と本州の東北地方(福島県を除く)及び中部地方(長野、富山)に分布し、低地や山地の水湿地に生える。
海外では、北半球に広く分布する。
環境省のレッドリスト(2007)では、「現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては『絶滅危惧』に移行する可能性のある種」である準絶滅危惧(NT)に登録されている。
草丈は10~30センチくらいである。
根茎は横に這う。
根際から生える葉は心形で、長い柄がある。
開花時期は6~7月くらいである。
仏炎苞(サトイモ科の肉穂花序に見られる花序を被う大形の苞)は白く、幅の広い卵形である。
花序には花被はない。
花序のほとんどが両性花で、先だけに雄性花をつける。
水芭蕉(ミズバショウ)を小形にしたような花である。
花の後にできる実は液果(果皮が肉質で液汁が多い実)である。
属名の Calla はギリシャ語の「kallos (美しい)」からきている。
種小名の palustris は「沼地に生える」という意味である。
写真は8月に志賀高原の東館山高山植物園で撮った。
学名:Calla palustris


★水芭蕉思わすような姫海芋
 小さく咲いてどこか可愛く




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大半夏(オオハンゲ)



大半夏(オオハンゲ)はサトイモ科ハンゲ属の多年草である。
日本固有種である。
本州の関東地方から沖縄にかけて分布し、山地の暗い林の中に生える。
草丈は40~60センチくらいである。
葉は1~4枚つき、3つに深く裂けて三つ葉のように見える。
葉の柄の長さは20~40センチくらいある。
開花時期は6~8月である。
茎先に緑色の仏炎苞(棒状の花を包み込む苞を仏像の背景にある炎形の飾りに見立てたもの)をつける。
仏炎苞に包まれるようにして棒状の肉穂花序(花軸が多肉化して花が表面に密生したもの)を出す。
花の後にできる実は液果(果皮が肉質で液汁が多い実)である。
漢名を半夏(ハンゲ)という烏柄杓(カラスビシャク)と似ていて大形というのが名の由来である。
烏柄杓(カラスビシャク)は日当たりのよい所に生える。
また、花の付属体を比べると、大半夏(オオハンゲ)のほうは太くて長い緑色だが、烏柄杓(カラスビシャク)のほうは細くて短く、つけ根のところが黒い。
さらに、大半夏(オオハンゲ)は葉の柄に球芽(むかご)ができるなどの違いがある。
属名の Pinellia はイタリアの植物学者「ピネリ(G. V. Pinelli)さん」の名からきている。
種小名の tripartita は「3つに深く裂けた」という意味である。
写真は7月に水戸市植物公園で撮った。
学名:Pinellia tripartita


★にょっきりと首をもたげて大半夏
 負けはせぬわと存在示し




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舞鶴天南星(マイヅルテンナンショウ)



舞鶴天南星(マイヅルテンナンショウ)はサトイモ科テンナンショウ属の多年草である。
本州の岩手県から九州にかけて分布し、山地の湿地や河原などに稀に生える。
海外では、台湾、朝鮮半島、中国などにも分布する。
環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。
草丈は60~120センチくらいである。
葉は1枚で、鳥足状の複葉である。
葉の柄は35~70センチくらいあり、小葉17~21枚くらいで1枚の葉が構成される。
小葉の形は幅の狭い倒卵形で、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。
頂小葉が次の側小葉よりもいちじるしく小さいのが特徴である。
開花時期は5~6月である。
小さな個体は雄花だけからなり、大きな個体は両性花となる。
仏炎苞(サトイモ科の肉穂花序に見られる花序を被う大形の苞)は緑色である。
仏炎苞のつけ根のほうは筒状である。
上部は卵形で、先は尾状となって曲がる。
肉穂花序は棒状である。
付属体が糸状に上へ向かって長く伸びる。
花の後にできる実は液果(果皮が肉質で液汁が多い実)である。
和名の由来は、葉と花序の様子を鶴が舞う姿にたとえたものである。
属名の Arisaema はギリシャ語の「aris(植物名の1つ)+haima(血)」からきている。血のような斑点が葉にある植物といった意味合いになる。
種小名の heterophyllum は「いろいろの形の葉の」という意味である。
写真は6月に東北大植物園で撮った。
学名:Arisaema heterophyllum


★鶴の舞う姿に擬して名づけらる
 天南星の緑爽やか




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