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蝦夷接骨木(エゾニワトコ)



蝦夷接骨木(エゾニワトコ)はスイカズラ科ニワトコ属の落葉低木である。
ニワトコ属は北半球を中心に世界に25種が分布する。
分類体系によっては(APGIII)レンプクソウ科とされる。
本種は北方領土を含む北海道から本州の関東地方北部にかけて分布し、山地の林の中や林の縁などに生える。
海外では、朝鮮半島や中国東北部、サハリン、カムチャツカにも分布する。
本州以南には、近縁種の接骨木(ニワトコ)が分布する。
樹高は3~5メートルくらいである。
根元から生える枝はよく枝分かれする。
葉は奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)で、向かい合って生える(対生)。
小葉は2~3組あり、形は長い楕円形で先が尖り、縁には細かいぎざぎざ(鋸歯)がある。
接骨木(ニワトコ)に比べると葉が大きく、ぎざぎざ(鋸歯)が粗い。
開花時期は5~6月である。
枝先に円錐花序(下のほうになるほど枝分かれする回数が多く、全体をみると円錐形になる)を出し、白っぽい小さな花をたくさんつける。
花径は5~7ミリで、先が5つに裂けて反り返る。
5本の雄しべと1本の雌しべが前に突き出る。
花の後にできる実は楕円形の液果(果皮が肉質で液汁が多い実)で、夏から秋にかけて赤く熟する。
枝や幹を薄く切って乾燥させたものは生薬で接骨木(せっこつぼく)といい、骨折や打撲の湿布薬などに使われる。
属名の Sambucus はギリシャ語の「sambuce(古代の楽器)」からきている。茎を林立した様子がこの楽器に似ていることから名づけられた。
種小名の racemosa は「総状花序の」という意味である。
亜種名の kamtschatica は「カムチャツカの」という意味である。
写真は7月に北大植物園で撮った。
学名:Sambucus racemosa subsp. kamtschatica

★蝦夷の名を戴く接骨木民族の
 歩みに寄り添い北に根づいて




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