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日陰の葛(ヒカゲノカズラ)



日陰の葛(ヒカゲノカズラ)はヒカゲノカズラ科ヒカゲノカズラ属の多年草である。
北海道から九州にかけて分布し、山地の日当たりのよい場所に生える常緑シダ類である。
海外では、北半球の温帯、熱帯の高山などに広く分布する。
名は「日陰」だが、日当たりのよい場所を好む。
草丈は10センチくらいである。
茎は枝分かれをして所々で根を張りながら伸び、1~3メートルくらいになる。
棘状の葉をつけるが、これは「小葉」と呼ばれる特殊なもので、普通の植物がつける葉とは起源が異なるという。
茎から直立した枝先に胞子嚢をつけ、胞子を出す。
胞子は石松子(せきしょうし)と呼ばれ、湿気を吸わないので丸薬の衣に用いたりする。
また、葉はドライフラワーや料理の添え物として利用される。
「古事記」の天岩屋戸(アマノイワヤト)にもこの植物は登場する。
天照大神が天岩屋戸に隠れたとき、天宇受売命(アメノウズメノミコト)が日陰葛(ヒカゲノカズラ)を冠にして踊り、慰めたという。
属名の Lycopodium はギリシャ語の「lycos(オオカミ)+podion(足)」からきている。鱗片状の葉が密生した茎が狼の足に似ていることから名づけられた。
種小名の clavatum は「棍棒状の」という意味である。
写真は8月に日光植物園で撮った。
学名:Lycopodium clavatum

★緑葉の瑞々しさの冴え渡る
 日陰葛は歴史を秘めて





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