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新・花の仲間調べ

仲間ごとに分類して季節の花をお届けします。

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玉川(タマガワ)



藪椿(ヤブツバキ)はツバキ科ツバキ属の常緑低木から高木である。
本州の青森県から沖縄にかけて分布する。
一般的に椿(ツバキ)と呼ばれ、園芸品種の基本種となっている。
玉川(タマガワ)もそうした園芸品種の1つである。(椿図鑑参照)
大阪の片山樹楽園で早くから販売されてきた。
樹高は2メートルから4メートルである。
葉は長い楕円形で、向かい合って生える(対生)。
葉の先は急に細くなって尖る。
晩秋咲きで、開花時期は12月から4月である。
花径6センチくらいの濃い桃色をした一重筒咲き、喇叭咲きの小輪ないし中輪である。
雄しべは筒しべである。
属名の Camellia はモラビアの出身でイエズス会の宣教師だった「カメル(Georg Joseph Kamel, 1661-1706)さん」の名からきている。マニラに住み、東アジアの植物を採集した。
種小名の japonica は「日本の」という意味である。
写真は3月に川口市立グリーンセンターで撮った。
学名:Camellia japonica 'Tamagawa'

★鮮やかな色合い節句に似合いそう
 可愛い椿に目じりを下げて



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苔清水(コケシミズ)



苔清水(コケシミズ)はバラ科サクラ属の落葉小高木である。
サトザクラの仲間の1つである。
かつて東京の桜の名所であった荒川堤にあった栽培品種である。
1916年に植物学者の三好学(みよし・まなぶ, 1862-1939)さんが発表している。
樹高は4メートルから8メートルくらいである。
葉は広い楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尖り、縁には芒(のぎ:イネなどの小穂に見られる針のような棘)状のぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は4月の上旬から中旬である。
花弁数は5枚で、一重咲きの中輪である。
花の色は白ないしごく淡い紅色で、花弁の縁のほうが少し濃い色になる。
花弁の形は細長い楕円形で、先が細かく切れ込む。
萼筒は長い鐘形、萼片は披針形(笹の葉のような形)で跳ねる。
属名の Prunus はラテン語の「plum(スモモ)」からきている。
種小名の lannesiana はフランス人の園芸家「ランヌ(Lannes)さんの」という意味である。
写真は4月に三島市の国立遺伝学研究所で撮った。
学名:Prunus lannesiana 'Kokeshimidsu' (syn. Prunus lannesiana 'Angustipetala')

★荒川の堤にあった桜には
 どこか優雅な響きがあって



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藪の内(ヤブノウチ)



藪椿(ヤブツバキ)はツバキ科ツバキ属の常緑低木から高木である。
本州の青森県から沖縄にかけて分布する。
一般的に椿(ツバキ)と呼ばれ、園芸品種の基本種となっている。
藪の内(ヤブノウチ)もそうした園芸品種の1つである。(椿図鑑参照)
1960年代に大阪の片山樹楽園の目録に記載された。
品種名は茶道の流派の名からきている。
樹高は2メートルから4メートルである。
葉は長い楕円形で、向かい合って生える(対生)。
葉の先は急に細くなって尖る。
春咲きで、開花時期は2月から4月である。
花径6センチくらいの淡い桃色をした一重椀咲き、平開咲きの小輪ないし中輪をつける。
雄しべは筒しべである。
属名の Camellia はモラビアの出身でイエズス会の宣教師だった「カメル(Georg Joseph Kamel, 1661-1706)さん」の名からきている。マニラに住み、東アジアの植物を採集した。
種小名の japonica は「日本の」という意味である。
写真は3月に埼玉県花と緑の振興センターで撮った。
学名:Camellia japonica 'Yabunouchi'

★豊臣の世を偲ばせる椿から
 秘めた歴史の重み感じつ



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貴船雲珠(キブネウズ)



貴船雲珠(キブネウズ)はバラ科サクラ属の落葉高木である。
サトザクラの仲間の1つである。
原木は京都市貴船の民家にあった。
京都の桜研究家である佐野藤右衛門さん(庭師の名跡で当代は16代)によって保存された。
「雲珠」は馬具飾りの名で、花の形が似ていることからこの名がつけられた。
花の形態は御室有明(オムロアリアケ)と似ており、その関係を検討する必要があるとされている。
樹高は5メートルから10メートルくらいである。
葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尖り、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は4月の上旬から中旬である。
葉の展開よりも少し早く花を咲かせる。
花弁数は5枚で、一重咲きの大輪である。
花の色は白ないしごく淡い紅色で、時に花弁数は時に数枚増えることもある。
花弁の形は楕円形ないし円形で、旗弁(きべん:雄しべが花弁のように変化したもの)がある。
属名の Prunus はラテン語の「plum(スモモ)」からきている。
種小名の lannesiana はフランス人の園芸家「ランヌ(Lannes)さんの」という意味である。
写真は4月に三島市の国立遺伝学研究所で撮った。
学名:Prunus lannesiana 'Kibune-uzu'

★名の由来調べてみれば面白く
 古い言葉を味わいながら



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金魚葉椿(キンギョバツバキ)



藪椿(ヤブツバキ)はツバキ科ツバキ属の常緑低木から高木である。
本州の青森県から沖縄にかけて分布する。
一般的に椿(ツバキ)と呼ばれ、園芸品種の基本種となっている。
金魚葉椿(キンギョバツバキ)もそうした園芸品種の1つである。(椿図鑑参照)
江戸時代からある古い品種である。
1789年に駒込の植木屋伊藤伊兵衛が著した「諸色花形帖」に記載されている。
特徴は葉の形が金魚にそっくりなことである。
樹高は2メートルから4メートルである。
葉は長い楕円形で、向かい合って生える(対生)。
通常の形の葉のほかに、突然変異の葉を持っている。
葉の先が3つから5つに分かれ、魚の尾ひれのような形になる。
春咲きで、開花時期は2月から4月である。
花径8センチくらいの桃紅色をした一重筒咲き、平開咲きの中輪をつける。
雄しべは筒しべで、葯(雄しべの花粉を入れる袋)は退化している。
属名の Camellia はモラビアの出身でイエズス会の宣教師だった「カメル(Georg Joseph Kamel, 1661-1706)さん」の名からきている。マニラに住み、東アジアの植物を採集した。
種小名の japonica は「日本の」という意味である。
写真は3月に川口市立グリーンセンターで撮った。
学名:Camellia japonica 'Kingyoba-tsubaki'

★金魚葉の名から読み解く江戸の世の
 しなやかなるを指に感じて



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