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新・花の仲間調べ

仲間ごとに分類して季節の花をお届けします。

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ギリア・カピタタ



ギリア・カピタタはハナシノブ科ギリア属の一年草である。
ギリア属は南北アメリカに50種くらいが分布する。
属名の和名をヒメハナシノブ属とするものもある。
ギリア・トリコロル(Gilia tricolor)の和名に姫花忍(ヒメハナシノブ)を充てるという見解である。
しかし、YListではこの名は別名扱いであり、和名は三色ギリア(サンシキギリア)としている。
そのため、ここではギリア属を採用する。
本種の原産地は北アメリカ大陸の西部である。
アラスカからメキシコ北部にかけて分布する。
英名はブルーヘッドギリア(bluehead gilia)などである。
草丈は40センチから60センチくらいである。
茎は直立をする。
葉は細かく裂け、向かい合って生える(対生)。
開花時期は5月から7月である。
茎先にボール状の花序をつける。
花序は50個から100個くらいの小さな花からできている。
花は漏斗状で先が5つに開き、雄しべが花冠から飛び出している。
花の色は青紫色だが、白やピンクのものもある。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
なお、本種をギリア・レプタンサ(Gilia reptantha)と表示するものがあるが、この学名はたとえば ITIS の Catalogue of Life を見ても存在しない。
どこでどう間違えたのかわからないが、日本の一部でしか通用しないローカルな名なので使用しないほうがいい。
属名の Gilia はスペインの植物学者「ギル(Felipe Luis Gil, 1756-1821)さん」の名からきている。
種小名の capitata は「頭状の」という意味である。
写真は6月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
園芸品種のレプタンサブルーという表示があった。
学名:Gilia capitata

★小粒だが坊主頭に見えるかな
 ブルーヘッドは西部の生まれ



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黒姫(クロヒメ)



黒姫(クロヒメ)はユキノシタ科アジサイ属(ヒドランゲア属)の落葉低木である。
分類体系によっては(APG第3版)アジサイ科とされる。
ヒドランゲア属はアジアと南北アメリカ大陸に70種くらいが分布する。
また、多くの園芸品種が作出されている。(紫陽花図鑑参照)
日本でも紫陽花(アジサイ)などが栽培され、属名の和名はアジサイ属という。
本種は山紫陽花(ヤマアジサイ)の系統の園芸品種である。
春日大社神苑の萬葉植物園で選抜された品種である。
名の由来は、装飾花の色が濃い青紫色で、枝や葉柄も黒っぽい色をしていることからきている。
「姫」は小形の紫陽花の意味で名づけたようである。
樹高は50センチから150センチである。
葉は卵形で、向かい合って生える(対生)
葉の先は尖り、縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は6月から7月くらいである。
花序の周辺につく装飾花は一重咲きで、萼片の数は3枚から5枚である。
装飾花の先は尖っている。
花序の中央部に両性花があり、色は濃い藍色である。
属名の Hydrangea はギリシャ語の「hydro(水)+angeion(容器)」からきている。さく果の形からから名づけられた。
種小名と変種名の serrata は「鋸歯のある」という意味である。
写真は6月にとしまえんのあじさい祭りで撮った。
学名:Hydrangea serrata var. serrata 'Kurohime'

★あの場所に山紫陽花はあったかな
 遠い記憶をたどるも楽しく



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紅てまり(ベニテマリ)



紅てまり(ベニテマリ)はユキノシタ科アジサイ属(ヒドランゲア属)の落葉低木である。
分類体系によっては(APG第3版)アジサイ科とされる。
ヒドランゲア属はアジアと南北アメリカ大陸に70種くらいが分布する。
また、多くの園芸品種が作出されている。(紫陽花図鑑参照)
日本でも紫陽花(アジサイ)
などが栽培され、属名の和名はアジサイ属という。

本種は山紫陽花(ヤマアジサイ)の系統の園芸品種である。
江戸時代からある古い品種である。
江戸時代後期の本草学者である水谷豊文(みずたに・ほうぶん, 1779-1833)の著書に七段花(シチダンカ)とともに記載があるということだが、まだ書名を特定できていない。
おそらく「本艸綱目記聞」ではないかと思われる。
水谷はシーボルトにも面会して植物標本を見せ、高い評価を受けて交流したという。
樹高は100センチから150センチである。
葉は卵形で、向かい合って生える(対生)
葉の先は尖り、縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は6月から7月くらいである。
装飾花はてまり状の一重咲きで、色ははじめのうちは白い。
装飾花の真ん中に両性花があり、水色をしている。
装飾花はやがて赤味を帯びる。
属名の Hydrangea はギリシャ語の「hydro(水)+angeion(容器)」からきている。さく果の形からから名づけられた。
種小名と変種名の serrata は「鋸歯のある」という意味である。
上の写真は6月にとしまえんのあじさい祭りで撮った。
下の写真は7月に京都府立植物園で撮った。
学名:Hydrangea serrata var. serrata 'Benitemari'

★咲く時期で姿を変える紅てまり
 綺麗に撮ってあげたいけれど



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ラバンデュラ・デンタータ



ラバンデュラ・デンタータはシソ科ラバンデュラ属の常緑小低木である。
ラバンデュラ属は地中海沿岸地方を中心に40種くらいが分布する。
また、新たにさまざまな栽培品種が作出されている。
本種の原産地はスペイン、北アフリカである。
YListでは和名を切れ葉ラベンダー(キレハラベンダー)としている。
英名はデンタータラベンダー(Dentata lavender)、フリンジラベンダー(Fringed lavender)などである。
樹高は40センチから90センチくらいである。
よく枝分かれをする。
葉に特徴がある。
披針形(笹の葉のような形)で縁に鋭いぎざぎざ(鋸歯)があり、シダの葉のようである。
葉の色は濃い緑色で、白い綿毛がたくさん生えている。
開花時期は4月から5月くらいである。
気候が合えば周年開花をする。
花穂は長さが5センチから8センチくらいで、先にウサギの耳のような苞がつく。
花は淡い紫色をした筒形で、先が唇形に5つに裂ける。
花にはよい香りがある。
ハーブとして栽培され、香料、ポプリ、入浴剤、お茶などに利用される。
属名の Lavandula はラテン語の「lavare(洗う)」からきている。ローマ時代に入浴時の香水として使われていたことから名づけられた。
種小名の dentata は「鋭い鋸歯の」という意味である。
写真は1月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Lavandula dentata

★ぎざぎざの葉っぱがとても個性的
 立てた花穂は貴婦人の色



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薔薇(バラ)



薔薇(バラ)はバラ科バラ属(ロサ属)の落葉低木の総称である。
ロサ属はヨーロッパ、日本、中国、ヨーロッパ、北アメリカなどに200種くらい分布している。
また、改良された数1000種の園芸品種がある。
「ばら」は「いばら」の転訛で同属の植物の総称として用いられている。
属名の和名もバラ属という。
漢字には中国語の「薔薇」が充てられており、「そうび」や「しょうび」とも読まれる。
英名はローズ(rose)である。
庭植え、鉢植え、切り花などに用いられている。
樹高は1メートルから3メートルくらいである。
幹や枝に棘のあるものが多く、蔓性のものもある。
葉は奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)で、互い違いに生える(互生)。
開花時期は春咲きのものと秋咲きのものがある。
春咲きのものは5月から6月に花を咲かせる。
秋咲きのものは9月から11月に花を咲かせる。
春と秋とに花を咲かせるものを四季咲きとよんでいる。
花の形も色も大きさも様々だが、基本形は萼片、花弁ともに5枚ずつである。
もちろん八重咲きのものもある。
花の後にできる実は偽果(子房以外の部分が加わってできている果実)である。
イギリスやアメリカ合衆国などで国花とされている。
日本では茨城県や横浜市などで、県の花や市の花とされている。
古名を「うらま」といい、万葉集にも詠まれている。
俳句では「薔薇」が夏の季語、「薔薇の芽」が春の季語、「冬薔薇(ふゆそうび)」が冬の季語である。
花言葉はたくさんあるが、赤い花は「恋愛」、白い花は「純潔」、ピンクの花は「満足」などである。
6月9日の誕生花である。
属名の Rosa はケルト語の「rhodd(赤色)」からきている。
写真は6月に北海道のはぼろバラ園で撮った。
園芸品種のモーデン・センテニアル(Morden Centennial)である。(薔薇図鑑参照)
学名:Rosa spp.

★棘あらば刺して貫けわが胸を
 紅色の露溢れるまでに



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