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新・花の仲間調べ

仲間ごとに分類して季節の花をお届けします。

カテゴリー「イネ科」の記事一覧

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細野毛麦(ホソノゲムギ)



細野毛麦(ホソノゲムギ)はイネ科オオムギ属の多年草である。
原産地は北アメリカ大陸やシベリアである。
日本へは戦後に芝生種子などに混入して侵入した。
現在では北海道と本州の一部などに点在して野生化し、道端や荒地、土手などに生える。
北海道のブルーリストではBランク(北海道に定着している外来種)に選定されている。
草丈は30センチから50センチくらいである。
全体に無毛である。
葉は線形でややざらつき、互い違いに生える(互生)。
葉の質は柔らかく、茎を取り巻くような葉耳がある。
開花時期は5月から9月である。
直立した茎先に穂状花序(柄のない花が花茎に均等につく)を出し、淡い緑色の花を咲かせる。
8センチくらいある長い芒(のぎ:イネなどの小穂に見られる針のような棘)がある。
別名をリスの尻尾(リスノシッポ)という。
属名の Hordeum はラテン語の「hordeum(オオムギ)」が語源である。
種小名の jubatum は「元気を出させた」という意味である。
写真は6月に都立木場公園の外来植物園で撮った。
学名:Hordeum jubatum

★垂れ下がる長い尻尾が面白い
 味ある姿に頷きながら




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カナリー草葦(カナリークサヨシ)



カナリー草葦(カナリークサヨシ)はイネ科クサヨシ属(ファラリス属)の一年草である。
ファラリス属は数種が世界に分布する。
日本にも草葦(クサヨシ)が分布するので、属名の和名をクサヨシ属という。
本種の原産地はカナリア諸島や地中海沿岸地方、北アフリカである。
英名はカナリーグラス(Canary grass)という。
日本へは江戸時代の後期にカナリアの餌として渡来した。
現在では逸出したものが日本各地で野生化し、市街地の道端や草地に生える。
北海道のブルーリストではBランク(北海道に定着している外来種)に選定されている。
別名は槍草葦(ヤリクサヨシ)という。
草丈は40~100センチくらいである。
葉は線形で柔らかく、両面ともの無毛である。
開花時期は7~9月くらいである。
花序は扁平な小穂が密集して槍の穂先のような形になり、茎先に1つずつつく。
包頴が緑白色で、中脈が濃い緑色である。
艶のある茶色の種子がカナリアの餌となる。
属名の Phalaris は草を意味するギリシャ古名からきている。
種小名の canariensis は「カナリア諸島の」という意味である。
写真は6月に都立木場公園の外来植物園で撮った。
学名:Phalaris canariensis

★槍の名に成る程そうかと頷くね
 キャラが勝ってすぐに覚える




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麦草(ムギクサ)



麦草(ムギクサ)はイネ科オオムギ属の一年草ないし越年草である。
原産地はヨーロッパである。
日本へは1870年代に侵入が確認された。
現在では北海道から沖縄にかけて野生化し、道端や空き地に生える。
環境省の「我が国に定着している外来生物のリスト(暫定版)」(2006)に掲載されている。
また、北海道のブルーリストではBランク(北海道に定着している外来種)に選定されている。
草丈は10~50センチくらいである。
ほぼ無毛である。
葉は線形で、互い違いに生える(互生)。
葉の質は柔らかく、茎を取り巻くような葉耳がある。
開花時期は5~7月である。
直立した茎先に穂状花序(柄のない花が花茎に均等につく)を出し、緑色の花を咲かせる。
花穂は長く、5センチくらいの芒(のぎ:イネなどの小穂に見られる針のような棘)がある。
属名の Hordeum はラテン語の「hordeum(オオムギ)」が語源である。
種小名の murinum は「城壁に生える」という意味である。
学名:Hordeum murinum

写真は6月に都立木場公園の外来植物園で撮った。

★雑草と思えぬほどに端正な
 姿はさすが麦の仲間だ




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大麦(オオムギ)



大麦(オオムギ)はイネ科オオムギ属の越年草である。
オオムギ属は30種くらいあり、北半球、南アメリカ、南アフリカなどに分布する。
本種の原産地は中央アジアである。
世界でもっとも古くから栽培されてきた作物の1つである。
醤油、味噌、ビールなどの原料となるほか、麦わら細工などに利用される。
日本へは弥生時代に渡来し、万葉集にも詠まれている。
現在では、北海道で主に栽培されている。
草丈は100~120センチくらいである。
葉は線形で、互い違いに生える(互生)。
開花時期は4~5月である。
直立した茎先に穂状花序(柄のない花が花茎に均等につく)を出し、緑色の花を咲かせる。
穂の形状によって二条大麦、六条大麦、裸大麦などに分かれる。
花言葉は「思い出」である。
属名の Hordeum はラテン語の「hordeum(オオムギ)」が語源である。
種小名の vulgare は「普通の」という意味である。
写真は4月に市川市万葉植物園で撮った。
学名:Hordeum vulgare

★そのままで食べるわけではないけれど
 威厳感ずる穀物なれば



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雀の鉄砲(スズメノテッポウ)



雀の鉄砲(スズメノテッポウ)はイネ科スズメノテッポウ属(アロペクルス属)の一年草である。
アロペクルス属は25~35種くらいが分布する。
本種は北海道から沖縄にかけて分布し、道端や空き地、田畑などに生える。
古い時代に大陸から渡来した史前帰化植物の1つである。
海外では、北半球に広く分布する。
英名はショートオーン・フォックステール(shortawn foxtail)という。
オーンは芒(のぎ:イネなどの小穂に見られる針のような棘)のことである。
草丈は20~40センチくらいである。
地下茎はない。
茎は円柱形で中空である。
葉は線形で先が尖り、縁は少し波打つ。
葉は薄くて柔らかく、毛は生えていない。
開花時期は3~5月くらいである。
茎先に円柱状の細長い穂を出す。
雄しべの葯(花粉を入れる袋)は開花直後は白いが、すぐに黄褐色となる。
花の後にできる実はえい果(イネ科の果実で薄い木質の果皮が種子に密着している)である。
和名の由来は、小さいことを「雀」にたとえ、細い花穂を「鉄砲」に見立てたものである。
花言葉は「楽しい時間」である。
属名の Alopecurus はギリシャ語の「alopex(狐)+oura(尾)」からきている。花穂の様子を表したものである。
種小名の aequalis は「同形の」という意味である。
写真は4月に埼玉県三郷市で撮った。
学名:Alopecurus aequalis

★水の中ひょろりと伸びたその姿
 どこか滑稽雀の鉄砲




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