新・花の仲間調べ
仲間ごとに分類して季節の花をお届けします。
カテゴリー「ユリ科」の記事一覧
- 2024.11.25
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- 2015.05.13
千島石菖(チシマゼキショウ)
- 2014.10.23
プロスペロ・アウツムナレ
- 2014.05.16
雉隠し(キジカクシ)
- 2014.03.21
カマシア・ライヒトリニー
- 2014.02.14
アスパラガス・デンシフロルス
千島石菖(チシマゼキショウ)
- 2015/05/13 (Wed)
- ユリ科 |
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千島石菖(チシマゼキショウ)はユリ科チシマゼキショウ属(トフィルディア属)の多年草である。
分類体系によっては(APGIII)チシマゼキショウ科とされる。
トフィルディア属は北半球に20種くらいが分布する。
日本にも本種などが分布し、属名の和名をチシマゼキショウ属という。
本種は北方領土を含む北海道から本州の中部地方にかけて分布し、山地や高山の岩場に生える。
海外では、中国北部、カムチャツカ、サハリン、クリル列島、アリューシャン列島、アラスカ、カナダなどにも分布する。
草丈は5センチから15センチくらいである。
黒実石菖(クロミゼキショウ)や利尻石菖(リシリゼキショウ)の別名がある。
根際から生える葉は長さ5センチくらいの剣形で、先は鋭く尖る。
葉の縁には細かい突起があり、ざらつく。
茎にも1枚ないし2枚の小さな葉がつく。
開花時期は7月から8月である。
茎先に短い総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、白ないし淡い紫色の小さな花をつける。
花被片は6枚で、長さ2ミリくらいの長い楕円形である。
雄しべは6本で、葯(雄しべの花粉を入れる袋)は黄褐色ないし赤褐色をしている。
花の後にできる実は球形のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
なお「石菖」の名の由来は、岩場に生えて葉の形が菖蒲(ショウブ)に似ていることからきている。
属名の Tofieldia はイギリス人の植物学者「トフィールド(Thomas Tofield, 1730-1779)さん」の名からきている。
種小名と変種名の coccinea は「赤い」という意味である。
写真は5月に北大植物園で撮った。
低地では春に花を咲かせる。
学名:Tofieldia coccinea var. coccinea
★いかにもの花の姿に笑み漏れる
岩の隙間がとても似合うよ
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プロスペロ・アウツムナレ
- 2014/10/23 (Thu)
- ユリ科 |
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プロスペロ・アウツムナレはユリ科プロスペロ属の多年草である。
分類体系によっては(APGIII)クサスギカズラ科とされる。
馴染みのある異名にスキラ・アウツムナリス(シラー・オータムナリス)がある。
しかし、スキラ属は再編成されているので、この名称は次第に使われなくなるだろう。
本種の原産地は地中海沿岸地方などである。
ポルトガル、イギリス、モロッコ、トルコ、イラク、コーカサスなどに分布する。
草丈は10センチから20センチくらいである。
根際から生える葉は糸状の線形である。
開花時期には葉はなく、開花後に葉が出る。
開花時期は9月から10月である。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、花径6ミリから10ミリくらいの花を密につける。
花の色は淡い紅紫色や白色である。
花被片は6枚、雄しべも6本である。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Prospero はラテン語の「prosperus(運のよい)」からきている。
種小名の autumnale は「秋咲きの」という意味である。
写真は10月につくば植物園で撮った。
学名:Prospero autumnale(syn. Scilla autumnalis)
★日本ではまだ認知度は低いけど
花の姿はとても可愛い
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雉隠し(キジカクシ)
- 2014/05/16 (Fri)
- ユリ科 |
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雉隠し(キジカクシ)はユリ科クサスギカズラ属(アスパラガス属)の多年草である。
分類体系によっては(APGIII)クサスギカズラ科(キジカクシ科)とされる。
アスパラガス属は世界に300種くらい分布する。
原語に近い読み方をすればアスパラグス属となるが、アスパラガスが一般化しているのであまり使われない。
日本にも草杉蔓(クサスギカズラ)などが分布するので、属名の和名はクサスギカズラ属という。
なお、学者によってはキジカクシ属とするものもある。
本種は北海道から九州にかけて分布し、山地の林の縁などに生える。
海外では、シベリア、ウスリー、サハリン、朝鮮半島、中国東北部などにも分布する。
草丈は50~100センチくらいである。
茎は円柱状で稜線があり、上部で枝分かれをする。
葉は退化しており、糸のような葉状枝といわれるものになっている。
葉状枝は緑色で、羽状複葉のように見える。
開花時期は5~6月である。
雌雄異株である。
葉の脇に緑白色をした小さな花を3つか4つつける。
花径は2~3ミリで、花被片が6枚からなる。
雄花には雄しべが6本ある。
雌花の雄しべは退化しており、雌しべが1本ある。
花の後にできる実は球形のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)で、熟すと赤くなる。
アスパラガスの仲間で、若芽は食用とされる。
属名の Asparagus はギリシャ語の「a(強勢語)+sparasso(引き裂く)」からきている。はなはだしく裂けるという意味で、葉の状態を表している。
種小名の schoberioides は「アカザ科(Schoberia)に似た」という意味である。
写真は5月に高尾山野草園で撮った。
学名:Asparagus schoberioides
★アスパラを思わすような雉隠し
緑の幕を張ったみたいに
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カマシア・ライヒトリニー
- 2014/03/21 (Fri)
- ユリ科 |
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カマシア・ライヒトリニーはユリ科ヒナユリ属(カマシア属)の多年草である。
カマシア属は北アメリカに6種が分布する。
分類体系によっては(APGIII)クサスギカズラ科とされる。
同属のカマシア・カマッシュ(Camassia quamash)を和名で雛百合(ヒナユリ)というので、属名の和名をヒナユリ属という。
本種の原産地も北アメリカである。
ネイティブ・アメリカンの食料源とされてきた。
和名は大雛百合(オオヒナユリ)という。
草丈は50~120センチくらいである。
根際から生える葉は剣状でつけ根の部分は狭く、直立をする。
開花時期は3~5月くらいである。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、淡い青色や白色の花をたくさんつける。
花被片は6枚で、星形に開く。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Camassia はネイティブ・アメリカンの呼び名(camass)からきている。
種小名の leichtlinii はドイツの植物愛好家「ライヒトリン(Maximilian Leichtlin, 1831-1910)さんの」という意味である。
写真は4月に京都府立植物園で撮った。
写真は園芸品種のカエルレア(Caerulea)で、青色の濃い選抜品種のようである。
学名:Camassia leichtlinii
★星形の淡いブルーの花房が
煌き揺れる大雛百合は
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アスパラガス・デンシフロルス
- 2014/02/14 (Fri)
- ユリ科 |
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アスパラガス・デンシフロルスはユリ科クサスギカズラ属の多年草である。
分類体系によっては(APGIII)クサスギカズラ科とされる。
原産地は南アフリカのケープ地方の南東部、クワズール・ナタール州、モザンビークなどである。
読み方はアスパラグス・デンシフロルスとするほうが原語には近い。
箒天門冬(ホウキテンモンドウ)という和名がある。
天門冬(てんもんどう)というのは生薬名で、草杉蔓(クサスギカズラ)の根茎をこう呼んでいる。
草丈は30~90センチくらいである。
茎は槍状となる。
葉は退化した糸状の葉状枝(偽葉)である。
開花時期は5月から9月くらいである。
花径5ミリくらいの緑白色をした釣鐘形の小さな花をつける。
花の後にできる実は直径5ミリくらいの球形の液果(果皮が肉質で液汁が多い実)で、熟すと赤色になる。
属名の Asparagus はギリシャ語の「a(強勢語)+sparasso(引き裂く)」からきている。はなはだしく裂けるという意味で、葉の状態を表している。
種小名の densiflorus は「あふれるように花をつける」という意味である。
写真は2月に北大植物園で撮った園芸品種のマイヤーズ(Myers)である。
学名:Asparagus densiflorus
★なるほどね箒のような形だな
姿整うデンシフロルス
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