新・花の仲間調べ
仲間ごとに分類して季節の花をお届けします。
カテゴリー「ユリ科」の記事一覧
- 2024.11.26
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- 2011.05.07
薄黄鰐口草(ウスギワニグチソウ)
- 2011.05.06
斑入り甘野老(フイリアマドコロ)
- 2011.05.05
姫萎ずい(ヒメイズイ)
- 2011.05.04
鰐口草(ワニグチソウ)
- 2011.05.03
鳴子百合(ナルコユリ)
薄黄鰐口草(ウスギワニグチソウ)
薄黄鰐口草(ウスギワニグチソウ)はユリ科アマドコロ属の多年草である。
分類体系によってはスズラン科とされる。
福岡県の一部と対馬に分布し、山地の林の中に生える。
海外では朝鮮半島にも分布し、大陸とのつながりを示す植物である。
環境省のレッドリスト(2007)では、「IA類ほどではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種」である絶滅危惧IB類(EN)に登録されている。
草丈は10~30センチくらいである。
葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。
開花時期は4~5月である。
葉の脇から花柄を垂らし、黄緑色の花を2~3輪つける。
花冠は筒形で、花の上には2~3枚の苞(花のつけ根につく葉の変形したもの)がある。
特徴は、花柄や苞などに柱状突起があることである。
花の後にできる実は球形の液果(果皮が肉質で液汁が多い実)である。
属名の Polygonatum はギリシャ語の「polys(多)+gonu(節)」からきている。根茎にたくさんの節があることから名づけられた。
種小名の cryptanthum はギリシャ語の「crypto( 隠れる)+anthos(花)」からきている。
写真は5月に神代植物公園の野草展(東京山草会)で撮った。
学名:Polygonatum cryptanthum
★大陸とつながり示す花がまた
ここにも一つひっそりと咲き
☆地続きの証しめして咲く花の
心はどこに残されしかな
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花図鑑
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斑入り甘野老(フイリアマドコロ)
斑入り甘野老(フイリアマドコロ)はユリ科アマドコロ属の多年草である。
分類体系によってはスズラン科とされる。
甘野老(アマドコロ)は北海道から九州にかけて分布し、山地の草原に生える。
海外では、朝鮮半島や中国にも分布する。
斑入り甘野老(フイリアマドコロ)はその園芸品種である。
違いは、葉に白い縞模様の斑が入ることである。
草丈は40~80センチくらいである。
葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尖り、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。
開花時期は4~5月である。
葉の腋から筒状の白い花が下垂して咲く。
花被片は6枚あるが、筒状に合着していて先だけが裂ける。
花の中には6本の雄しべと1本の花柱(雄しべの一部)がある。
花の後にできる実は液果(果皮が肉質で液汁が多い実)である。
和名の由来は、根茎の形がヤマイモ科の野老(トコロ)に似ており、甘みがあることからきている。
「野老」というのは「野原の老人」という意味で、ひげ根と曲がった地下茎を老人に見立てたものである。
属名の Polygonatum はギリシャ語の「polys(多)+gonu(節)」からきている。根茎にたくさんの節があることから名づけられた。
種小名の odoratum は「よい香りのする」という意味である。
変種名の pluriflorum は「たくさんの花をもつ」という意味である。
品種名の Variegatum は「斑入りの」という意味である。
写真は4月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Polygonatum odoratum var. pluriflorum 'Variegatum'
★涼しげな葉陰にそっとぶら下がる
花は微かに緑を帯びて
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花図鑑
姫萎ずい(ヒメイズイ)
姫萎ずい(ヒメイズイ)はユリ科アマドコロ属の多年草である。
分類体系によってはスズラン科とされる。
北海道から本州の中部地方にかけてと九州に分布し、海岸や山地に生える。
海外では、朝鮮半島、中国東北部、サハリン、シベリアなどにも分布する。
「萎ずい」は甘野老(アマドコロ)の漢名で、「姫」は小形を意味する。
「ずい」の文字はJIS漢字の第2水準では表示できない。
草丈は10~30センチくらいである。
茎は直立し、稜がある。
葉は長い楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の縁や裏面の葉脈上には乳頭状の突起がある。
開花時期は5~6月である。
葉の脇から淡い緑白色をした筒状の花を1~2輪下向きにつける。
花冠の先は浅く6つに裂けて外側に反り、緑色を帯びる。
花の後にできる実は球形の液果(果皮が肉質で液汁が多い実)で、黒紫色に熟する。
属名の Polygonatum はギリシャ語の「polys(多)+gonu(節)」からきている。根茎にたくさんの節があることから名づけられた。
種小名の humile は「低い」という意味である。
写真は5月に川口市立グリーンセンターの山野草展で撮った。
学名:Polygonatum humile
★矮性で鉢が似合うよ姫萎ずい
小さき故の魅力を見せて
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花図鑑
鰐口草(ワニグチソウ)
鰐口草(ワニグチソウ)はユリ科アマドコロ属の多年草である。
分類体系によってはスズラン科とされる。
北海道から九州にかけて分布し、丘陵や山地の林の中などに生える。
海外では、朝鮮半島、中国東北部にも分布する。
草丈は25~40センチくらいである。
葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。
開花時期は5~6月である。
花の色は白く、上部がやや緑色を帯びており、壺状の筒形をしている。
花は2枚の苞(花のつけ根につく葉の変形したもの)に抱かれようにつく。
花は普通は2輪ずつつく。
花の後にできる実は液果(果皮が肉質で液汁が多い実)である。
和名の由来は、花を包み込む苞の様子が神社やお寺の軒につり下げられている鰐口に似ているところからきている。
甘野老(アマドコロ)や 鳴子百合(ナルコユリ)が近い仲間である。
属名の Polygonatum はギリシャ語の「polys(多)+gonu(節)」からきている。根茎にたくさんの節があることから名づけられた。
種小名の involucratum は「総苞のある」という意味である。
写真は5月に日比谷公園の野草展(むさしの山草会)で撮った。
学名:Polygonatum involucratum
★ふと見れば頭(こうべ)を垂れて鰐口草
誰かの視線ひた待つように
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花図鑑
鳴子百合(ナルコユリ)
鳴子百合(ナルコユリ)はユリ科アマドコロ属の多年草である。
分類体系によってはスズラン科とされる。
北海道から九州にかけて分布し、山地の林の中や草地に生える。
海外では、朝鮮半島にも分布する。
草丈は50~90センチくらいである。
茎は円柱形で、上部は弓状にたわむ。
近縁種の甘野老(アマドコロ)の茎には角があり、斜上して先は曲がらない。
葉は披針形で、互い違いに生える(互生)。
本種は葉先が下に下がり、甘野老(アマドコロ)は斜上する。
開花時期は5~6月である。
葉の脇から花柄を出して枝分かれをさせ、緑白色をした筒状の花を1~3輪くらい下向きにつける。
花筒の長さは2センチくらいで、先のほうが色が濃くなる。
先端は6つに裂け、緑色を帯びる。
花の後にできる実は液果(果皮が肉質で液汁が多い実)である。
和名の由来は、花の様子を「鳴子」に見立てたものである。
「鳴子」というのは田畑を荒らす鳥や獣を追い払うためのもので、竹筒を小さな板に並べてぶら下げたものである。
根茎は生薬で黄精(おうせい)といい、滋養、強壮薬とされる。
属名の Polygonatum はギリシャ語の「polys(多)+gonu(節)」からきている。根茎にたくさんの節があることから名づけられた。
種小名の falcatum は「鎌状の」という意味である。
写真は4月に京都府立植物園の山野草展で撮った。
学名:Polygonatum falcatum
★ぶらぶらと花を垂らして鳴子百合
触れてみようか音色聞きたく
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