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新・花の仲間調べ

仲間ごとに分類して季節の花をお届けします。

カテゴリー「ラン科」の記事一覧

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白毛天の梅(シラゲテンノウメ)



白毛天の梅(シラゲテンノウメ)はバラ科テンノウメ属(オステオメレス属)の常緑小低木である。
オステオメレス属は環太平洋地域に数種が分布する。
日本にも天の梅(テンノウメ)などが分布するので、属名の和名をテンノウメ属という。
本種は小笠原諸島の固有種である。
乾燥した岩場などに生える。
別名を綿天の梅(ワタテンノウメ)という。
近縁種の立ち天の梅(タチテンノウメ)と似るが、本種は匍匐性があり、全体に綿毛が生える。
ただし、両者を区別しない説もある。
樹高は20~50センチくらいである。
葉は奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)で、互い違いに生える(互生)。
小葉は6~12対で、丸みがある。
和名の通り白い軟毛がたくさん生える。
開花時期は3~4月である。
葉の脇に散房花序(柄のある花がたくさんつき、下部の花ほど柄が長いので花序の上部がほぼ平らになる)を出し、白い小さな5弁花をつける。
花の後にできる実は球形の偽果(子房以外の部分が加わってできている果実)で、秋に紫色や白に熟する。
属名の Osteomeles はギリシャ語の「osteon(骨)+melon(リンゴ)」からきている。果実の様子を表したものである。
種小名の lanata は「軟毛のある」という意味である。
写真は7月に小石川植物園で撮った。
学名:Osteomeles lanata

★はじめての名前に触れて笑み漏れる
 次は花咲く姿見たいと




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プレイオネ・フォレスティー



プレイオネ・フォレスティーはラン科タイリントキソウ属(プレイオネ属)の多年草である。
プレイオネ属はアジアに20種くらい分布する地生種である。
台湾に自生するプレイオネ・フォルモサナ(Pleione formosana)に大輪朱鷺草(タイリントキソウ)の和名があることから、属名の和名をタイリントキソウ属という。
本種の原産地は台湾、中国、ネパール、チベットなどである。
国際自然保護連合(IUCN)のレッドリスト(Ver. 3.1, 2001)では絶滅危惧IB類(EN)に指定されている。
草丈は10センチから30センチくらいである。
開花時期は4月から6月である。
花の色は淡い黄色で、大きな唇弁には赤い斑が入る。
属名の Pleione はギリシャ神話に登場する妖精「プレイオネ(Pleione)」からきている。
種小名の forrestii はイギリス人の植物学者「フォレスト (George Forrest, 1873-1932) さんの」という意味である。
写真は4月に大阪市の咲くやこの花館で撮った。
学名:Pleione forrestii

★いろいろな色があるんだプレイオネ
 花は大きく見栄えがするよ




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ミルトニア・フラベスケンス



ミルトニア・フラベスケンスはラン科ミルトニア属の常緑多年草である。
ミルトニア属は中南アメリカに20種くらい分布する着生種である。
本種の原産地はブラジル南部、パラグアイで、樹幹などに着生種する。
草丈は30~60センチくらいである。
葉は幅の広い線形である。
開花時期は4~7月くらいである。
花茎を伸ばして総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、淡い黄色の花をたくさんつける。
花径は7~8センチである。
花弁の形は披針形である。
唇弁は白く、つけ根の部分に赤褐色の斑が入る。
属名の Miltonia はイギリス人のラン愛好家「ミルトン(Viscount Milton, 1839-1877)さん」の名からきている。
種小名の flavescens は「淡い黄色の」という意味である。
写真は4月に大阪市の咲くやこの花館で撮った。
学名:Miltonia flavescens

★爽やかな色と色とが調和して
 涼しげに咲くフラベスケンスは




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幽谷蘭(ユウコクラン)



幽谷蘭(ユウコクラン)はラン科クモキリソウ属(リパリス属)の多年草である。
リパリス属は世界に広く400種くらい分布する地生種で、中には着生種もある。
日本にも雲霧草(クモキリソウ)などが分布するので、属名の和名をクモキリソウ属という。
本種は九州の南部から沖縄にかけてと伊豆七島に分布し、山地の林の中に生える。
海外では、台湾、中国南部、東南アジア、インド、ヒマラヤなどにも分布する。
草丈は20センチから40センチくらいである。
葉は幅の広い楕円形で、2枚から5枚くらいつく。
葉は暗い緑色で厚みがあり、艶がある。
開花時期は4月から6月くらいである。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、暗い紅紫色の花をつける。
花の色は黄緑色のものもある。
属名の Liparis はギリシャ語の「liparos(輝く)」からきている。滑らかで艶のある葉を持つことから名づけられた。
種小名の formosana は「台湾の」という意味である。
写真は6月につくば植物園で撮った。
学名:Liparis formosana(syn. Liparis bituberculata var. formosana)

★南国に咲く蘭の花大柄で
 見栄えがするねこの仲間でも




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スパトグロッティス・パキフィカ



スパトグロッティス・パキフィカはラン科コウトウシラン属(スパトグロッティス属)の多年草である。
スパトグロッティス属はインドからオーストラリアにかけて広い範囲に45種くらいが分布する地生種である。
属名の読み方は「スパソグロッティス」とするものもある。
また、日本にも八重山諸島に紅頭紫蘭(コウトウシラン)が分布するので、属名の和名をコウトウシラン属という。
本種の原産地はメラネシアである。
ソロモン諸島、フィジー、バヌアツ、サモアなどに分布する地生種である。
種小名の読み方は「パシフィカ」とするものもある。
草丈は50~100センチくらいである。
根際から生える葉は細長い披針形(笹の葉のような形)で、皺がある。
開花時期は夏から秋である。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、花径5センチくらいの花を数輪つける。
花の色は多様で、ピンク、深紅、白、紫、黄色などのものがある。
属名の Spathoglottis はギリシャ語の「spatha(刀)+glossa(舌)」からきている。唇弁の裂片の形から名づけられた。
種小名の pacifica は「太平洋の」という意味である。
写真は7月につくば植物園で撮った。
学名:Spathoglottis pacifica

★美しいピンクが冴える花姿
 太平洋の島が故里




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