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新・花の仲間調べ

仲間ごとに分類して季節の花をお届けします。

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双子桜(フタゴザクラ)



双子桜(フタゴザクラ)はバラ科サクラ属の落葉小高木である。
原木は神奈川県真鶴半島で川崎哲也さんが発見した。
川崎哲也さんは牧野富太郎さんに師事した第一線のサクラ研究者である。
豆桜(マメザクラ)大島桜(オオシマザクラ)が交雑したのではないかと推測されている。
名の由来は、1つの花序に長い小花柄をもつ花が2つつくことからきている。
樹高は4メートルから8メートルである。
葉は幅の広い楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尖り、縁には芒(のぎ:イネなどの小穂に見られる針のような棘)形のぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉の両面や葉の柄にはわずかに短毛が生える。
開花時期は4月の上旬から中旬である。
花は白い一重咲きの小輪(花径15ミリから25ミリ)である。
花弁数は5枚で、花弁の形は楕円形から円形である。
咲き進むと花冠の真ん中が赤味を帯びる。
属名の Prunus はラテン語の「plum(スモモ)」からきている。
種小名の incisa は「鋭く裂けた」という意味である。
写真は4月に三島市の国立遺伝学研究所で撮った。
学名:Prunus incisa 'Futago'(syn. Cerasus x parvifolia)

★二輪草思わすような咲き方だ
 桜なのにと笑みの零れて



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山桑(ヤマグワ)



山桑(ヤマグワ)はクワ科クワ属(モルス属)の落葉高木である。
モルス属は世界に10種から20種くらいが分布する。
また、栽培品種は100種を超える。
本種は北方領土を含む北海道から九州にかけて分布し、山地に生える。
また、近縁種の真桑(マグワ)とともに、カイコの餌として栽培されてきた。
海外では、朝鮮半島、中国、サハリン、インジシナ半島、インド、ヒマラヤなどにも分布する。
樹高は3メートルから15メートルくらいである。
樹皮は褐色で、縦に短い割れ目が入る。
葉は卵形ないし卵円形で、互い違いに生える(互生)。
葉は全く切れ込まないものもあるし、3つから5つに裂けるものもある。
葉の先は尖り、つけ根は心形で、枝との間には柄がある。
縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は4月から5月である。
雌雄異株または同株である。
花の色は淡い黄色で、尾状花序(単性の花が穂状につき、垂れ下がる)である。
花の後にできる実は多肉質の集合果で赤ないし黒紫色に熟し、「桑の実」といって食用になる。
樹皮は和紙の原料となり、葉は養蚕用とされる。
材は建築材、器具材、楽器材などとして用いられる。
根の皮は生薬で桑白皮(そうはくひ)といい、消炎、利尿、鎮咳去痰などの薬効がある。
しかし、現在国内では生産されず中国産の真桑(マグワ)を使ったものが輸入されている。
俳句では「やまぐわの花」が春の季語、「桑の実」が夏の季語である。
属名の Morus はケルト語の「mor(黒)」からきているのではないかと推定されている。果実の色から名づけられた。
種小名の australis は「南半球の」という意味である。
花の写真は4月に南足柄市の足柄森林公園丸太の森で撮った。
実の写真は6月に市川市万葉植物園で撮った。
学名:Morus australis(syn. Morus bombycis)

★山桑の花はこれかと見つめれば
 高原の風さっと吹きぬけ









飴玉桜(アメダマザクラ)



飴玉桜(アメダマザクラ)はバラ科サクラ属の落葉小高木である。
原木は神奈川県真鶴半島で川崎哲也さんが発見した。
川崎哲也さんは牧野富太郎さんに師事した第一線のサクラ研究者である。
豆桜(マメザクラ)大島桜(オオシマザクラ)が交雑したのではないかと推測されている。
名の由来は、蕾の形をたとえたものと思われる。
樹高は4メートルから8メートルである。
葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尖り、縁には芒(のぎ:イネなどの小穂に見られる針のような棘)形のぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉の両面や葉の柄にはほとんど毛が生えない。
開花時期は4月の上旬から中旬である。
花は白い一重咲きの小輪から中輪(花径15ミリから35ミリ)である。
花弁数は5枚で、花弁の形は円形である。
咲き進むと花冠の真ん中が赤味を帯びる。
萼筒は筒状で、5枚の萼片にはぎざぎざ(鋸歯)が少しある。
属名の Prunus はラテン語の「plum(スモモ)」からきている。
種小名の incisa は「鋭く裂けた」という意味である。
種小名の globosa は「球形の」という意味である。
写真は4月に三島市の国立遺伝学研究所で撮った。
学名:Prunus incisa var. globosa(syn. Cerasus x parvifolia)

★豆桜思わすような姿して
 蕾可愛く花は大きく



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普門院(フモンイン)



藪椿(ヤブツバキ)はツバキ科ツバキ属の常緑低木から高木である。
本州の青森県から沖縄にかけて分布する。
一般的に椿(ツバキ)と呼ばれ、園芸品種の基本種となっている。
普門院(フモンイン)もそうした園芸品種の1つである。(椿図鑑参照)
園芸品種名は松江市にある古刹の名からきている。
普門院は藩主松平氏の祈願所として栄えた天台宗の寺院名である。
この普門院にほど近い民家で栽培されていたもので、1980年に山陰カメリアンクラブで発表された。
樹高は2メートルから4メートルである。
葉は小さめの楕円形で、向かい合って生える(対生)。
早春咲きで、開花時期は1月から4月である。
花8センチくらいの白い一重筒咲きの中輪である。
「移り白」といって、咲き進むと(ごく淡い桃色から)白くなる性質がある。
雄しべは筒しべである。
属名の Camellia はモラビアの出身でイエズス会の宣教師だった「カメル(Georg Joseph Kamel, 1661-1706)さん」の名からきている。マニラに住み、東アジアの植物を採集した。
種小名の japonica は「日本の」という意味である。
写真は3月に川口市立グリーンセンターで撮った。
学名:Camellia japonica 'Fumon-in'

★歴史好きやっぱり多いね島根には
 限度もあろうと苦笑いして



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車止(クルマドメ)



車止(クルマドメ)はバラ科サクラ属の落葉小高木である。
国立遺伝学研究所が熊本市の井上覚さんから入手したものである。
太白(タイハク)の別名を車駐(クルマドメ)という。
これと混同されることがあるが、まったく異なるので注意が必要である。
熊本では古くから山桜(ヤマザクラ)の変種である筑紫山桜(ツクシヤマザクラ)が栽培されている。
千原桜(チハラザクラ)が知られているが、本種も筑紫山桜(ツクシヤマザクラ)ではないかと推定されている。
しかし、大島桜(オオシマザクラ)が交雑にどうかかわっているかなど不明の点もあり、分類には今後の検証が必要と考えられている。
一般的には樹高は4メートルから8メートルくらいである。
葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尖り、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は3月の下旬から4月の上旬である。
葉の展開と同時に花をさかせる。
花は一重咲きの白い大輪で、花径は3センチから5センチくらいある。
花弁数は5枚で、花弁の形は円形である。
属名の Prunus はラテン語の「plum(スモモ)」からきている。
種小名の jamasakura は「ヤマザクラ」のことである。
変種名の chikusiensis は「筑紫の」という意味である。
写真は4月に三島市の国立遺伝学研究所で撮った。
学名:Prunus jamasakura var. chikusiensis

★熊本が故郷という車止
 由来はいまだ謎に包まれ



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