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新・花の仲間調べ

仲間ごとに分類して季節の花をお届けします。

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イヌラ・ヘリアンツス・アクアティリス



イヌラ・ヘリアンツス・アクアティリスはキク科オグルマ属(イヌラ属)の多年草である。
イヌラ属はユーラシア大陸やアフリカに90種くらいが分布する。
日本にも小車(オグルマ)などが分布し、属名の和名をオグルマ属という。
本種は中国の固有種である。
南西部(貴州、甘粛、四川、雲南)の標高1200メートルから3000メートルの地域に分布し、田んぼや河岸、山の斜面などに生える。
中国名は「水朝陽旋覆花」という。
「朝陽花」は向日葵(ヒマワリ)をさし、「旋覆花」は小車(オグルマ)をさす。
和名はまだつけられていず、撮影地では向日葵水菊(ヒマワリミズギク)の仮称で表示していた。
しかし、この名称は一般性がないので、ここでは学名で表示することにする。
草丈は20センチから80センチくらいである。
茎は直立し、上部で枝分かれをする。
葉は卵円形で、互い違いに生える(互生)。
葉のつけ根の部分は茎を抱く。
葉は質は柔らかく、縁には波状のぎざぎざ(鋸歯)がある。
開化時期は6月から10月くらいである。
茎先に花径3センチから4センチの黄色の頭花を1つずつつける。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。
全草に鎮咳、抗炎の薬理作用があるということで、中国では薬用とされる。
属名の Inula はオオグルマ(Inula helenium)の古代ラテン名からきている。
種小名の helianthus-aquatilis は「水生のヒマワリ属」という意味である。
写真は9月に富山県中央植物園で撮った。
学名:Inula helianthus-aquatilis

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玉咲き葛藤(タマザキツヅラフジ)



玉咲き葛藤(タマザキツヅラフジ)はツヅラフジ科ハスノハカズラ属(ステファニア属)の蔓性多年草である。
ステファニア属は東アジアやオーストラリアに45種くらいが分布する。
日本にも蓮の葉葛(ハスノハカズラ)などが分布し、属名の和名をハスノハカズラ属という。
本種は中国の中南部(陝西・浙江・江西・湖南・広東)と台湾に分布し、山地に生える。
中国名は「大還魂」という。
根にセファランチンというアルカロイド成分を含み、薬用とされる。
セファランチンは白血球減少症や円形脱毛症の治療薬とされる。
日本では、昭和時代に薬用として栽培されるようになった。
蔓の長さは数メートルになる。
葉は卵円形で、互い違いに生える(互生)。
雌雄異株である。
開花時期は4月から7月である。
葉の脇から玉のような集散花序(茎先に花がつき、少し下から横枝が出てその先にも花がつく)を出し、緑色の小さな花をたくさんつける。
花弁は3枚から5枚である。
花の後にできる実は球形の核果(水分を多く含み中に種が1つある)で、赤く熟する。
結実時期は6月から9月である。
属名の Stephania はギリシャ語の「stephanos(冠)」からきている。雄花の雄しべが冠のように見えることから名づけられた。
種小名の cephalantha は「頭花の」という意味である。
写真は9月に東京都薬用植物園で撮った。
学名:Stephania cephalantha

★薬用の草木はどこか地味だけど
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草藺(クサイ)



草藺(クサイ)はイグサ科イグサ属(ユンクス属)の多年草である。
ユンクス属は世界に200種くらいが分布する。
日本にも藺草(イグサ)などが分布し、属名の和名をイグサ属という。
本種は北海道から沖縄にかけて分布し、山野に普通に生える。
大葉子(オオバコ)とともに、人の踏み跡に生える植物の代表である。
海外では、朝鮮半島、台湾、中国を始めユーラシア大陸や北アメリカに広く分布する。
草丈は20センチから60センチくらいである。
茎は円筒形で、細いが丈夫である。
根際から数本が群がって立つ。
地下茎は短く、地を這って伸びる。
根際から生える葉は細くて扁平な線形で、縁は上面に巻く。
葉のつけ根の部分は鞘状になって茎を抱く。
鞘の縁には薄い耳状の突起がある。
開花時期は6月から9月くらいである。
茎先に集散花序(最初の花が枝先につき、その下に次々と側枝を出して花がつく)を出し、淡い緑色の花をつける。
花被片は6枚で、白い膜状の縁がある。
雄しべは6本である。
雌しべは1本で、花柱の先は3つに裂ける。
属名の Juncus はラテン語の「jungere(結ぶ)」からきている。
種小名の tenuis は「細い、薄い」という意味である。
写真は9月に小石川植物園で撮った。
学名:Juncus tenuis

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コリウス



コリウスはシソ科コリウス属(コレウス属)の多年草である。

非耐寒性なので園芸的には一年草として扱う
文献によってはコレウス属を旧属名とし、プレクトランツス属として表示するものもある。
ここではYListの表示に沿ってコレウス属として扱う。
標準和名は金襴紫蘇(キランジソ)というが、ほとんど使われることはない。
園芸的にはコリウスの名で流通している。
原産地は熱帯アフリカなどである。
多くの園芸品種が作出されている。
斑入りの葉がカラフルで美しい観葉植物で、花はあまり目立たない。
草丈は20センチから80センチくらいである。
葉は楕円形で、向かい合って生える(対生)。
葉の縁にはぎざぎざ(鋸歯)があり、多彩な色や模様が入る。
開花時期は6月から10月くらいである。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、青紫色の小さな花を穂状につける。
花冠は筒状で、先は唇形に裂ける。
花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)で、4つのブロックからなる。
花言葉は「絶望の恋」である。
属名の Coleus はギリシャ語の「koleos(管)」からきている。雄しべの形状に由来する。
種小名の scutellarioides は「タツナミソウ属(Scutellaria)に似た」という意味である。
写真は7月に清水公園花ファンタジアで撮った。
品種名はウインターサンである。
学名:Coleus scutellarioides (syn. Plectranthus scutellarioides)

★鮮やかな模様敷き詰め夏花壇
 出番が来たと輝くコリウス

 


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ホップ



ホップはクワ科カラハナソウ属(フムルス属)の蔓性多年草である。

分類体系によっては(APGIII)アサ科とされる。
フムルス属は世界に2種と1変種が分布する小さな属である。
日本にも唐花草(カラハナソウ)などが分布し、属名の和名をカラハナソウ属という。
本種の原産地はカフカス地方や西アジアだと考えられている。
ビールの原料となる植物である。
別名を西洋唐花草(セイヨウカラハナソウ)という。
冷涼な気候を好むので、日本では北海道や東北地方、山梨県、長野県などで栽培されている。
蔓は右巻きで、10メートルくらいに伸びる。
葉は手のひら状に3つから5つに裂け、向かい合って生える(対生)。
雌雄異株である。
結実すると芳香が失われるため、ビール醸造用に栽培をされるのは雌株だけである。
開花時期は6月から7月である。
まず毛花と呼ばれる花がつき、毛花が枯れた後に毬花と呼ばれる未受精のまつかさに似た花がつく。
この毬花がホップである。
収穫期は8月から9月である。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。
古代から薬用植物としても利用されてきた。
利尿、鎮静などの薬効がある。
花言葉は「希望」である。
属名の Humulus はラテン語の「humus(土)」からきている。
種小名と変種名の lupulus は狼の縮小形で「小さな狼」という意味である。
写真は9月に東京都薬用植物園で撮った。
学名:Humulus lupulus var. lupulus

★地味だけど何やら威厳ありそうに
 ホップの花は悠々自適




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