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新・花の仲間調べ

仲間ごとに分類して季節の花をお届けします。

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棘なし花麒麟(トゲナシハナキリン)



棘なし花麒麟(トゲナシハナキリン)はトウダイグサ科トウダイグサ属(ユーフォルビア属)の常緑多年草である。
ユーフォルビア属は世界に2000種くらいが分布する。
属名の読み方はエウフォルビアのほうが原語に近いが、英語読みのユーフォルビアのほうが定着している。
日本にも灯台草(トウダイグサ)などが分布するので、属名の和名はトウダイグサ属という。
本種の原産地はアフリカのマダガスカル島である。
北東部のイハラナ(Iharana)周辺のごく狭い沿岸部の乾燥した森に分布する多肉植物である。
国際自然保護連合(IUCN)のレッドリスト(Ver.3.1, 2004)では絶滅危惧IA類(CR)に指定されている。
やはりマダガスカルに分布する花麒麟(ハナキリン)の近縁種だが、茎には棘がない。
草丈は30~150センチくらいである。
葉は卵形で先が尖り、茎先にまとまってつく。
開花時期は周年である。
茎先に赤い花をつける。
花のように見えるのは苞(花のつけ根につく葉の変形したもの)で、本当の花は真ん中にある小さなものである。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Euphorbia はローマ時代の医師「エウフォルブスさん(Euphorbus)」の名からきている。この属の植物の乳液を初めて薬にしたことから名づけられた。
種小名の geroldii はフランス人の植物収集家「ゲーロルト(Raymond Gerold, 1928-2009)さんの」という意味である。
写真は8月に富山県の氷見市海浜植物園で撮った。
学名:Euphorbia geroldii

★棘なしはとても貴重だ花麒麟
 マダガスカルの奥は深くて




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千島柳(チシマヤナギ)



千島柳(チシマヤナギ)はヤナギ科ヤナギ属の落葉小低木である。
ヤナギ属は北半球を中心に世界に350種くらいが分布する。
本種は千島列島などに分布する。
YListでは、本州の中部地方に分布する蓮華岩柳(レンゲイワヤナギ:Salix nakamurana)の亜種として位置づけるべきとの意見を掲載している。
周極地方には北極柳(ホッキョクヤナギ:Salix arctica)が分布するが、これとの区別もまだ明確ではない。
北千島のパラムシル島(幌筵島:Paramushir)より北のものは北極柳(ホッキョクヤナギ)、それより南のものは蓮華岩柳(レンゲイワヤナギ)とシノニムという説のあることも紹介している。
樹高は10センチから20センチくらいである。
細い枝が匍匐して広がる。
葉はほぼ円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の縁には波状の低いぎざぎざ(鋸歯)があり、白い軟毛が生える。
葉の表面は緑色、裏面は粉白色を帯びる。
開花時期は撮影地では5月である。
雌雄異株で、緑色の花を穂状につける。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Salix はケルト語の「sal(近い)+lis(水)」からきている。水辺に多いことから名づけられた。
種小名の aquilonia の由来はまだ解き明かせていない。
写真は5月に北大植物園で撮った。
学名:Salix aquilonia

★柳にはわからぬことがまだ多い
 千島柳も謎多き花




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日高峰柳(ヒダカミネヤナギ)



日高峰柳(ヒダカミネヤナギ)はヤナギ科ヤナギ属の落葉小低木である。
ヤナギ属は北半球を中心に世界に350種くらい分布する。
本種は日本固有種である。
北海道の日高山系、夕張山系、大雪山系に分布し、高山の岩礫地や草地に生える。
環境省のレッドリスト(2012)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。
分類上は、本州の中部地方に分布する蓮華岩柳(レンゲイワヤナギ)の亜種とされている。
樹高は10~20センチくらいである。
枝は匍匐して広がる。
葉は円形や楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の縁には波状の低いぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉には毛はなく、表面は緑色、裏面は粉白色を帯びる。
開花時期は7月で、葉の展開後に花をつける。
雌雄異株で、緑色の尾状花序をつける。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Salix はケルト語の「sal(近い)+lis(水)」からきている。水辺に多いことから名づけられた。
種小名の nakamurana は発見者の「中村(M. Nakamura?)さんの」という意味のようだが、名前を特定できていない。
亜種名の kurilensis は「クリル諸島(千島列島)の」という意味である。
写真は7月に北大植物園で撮った。
学名:Salix nakamurana subsp. kurilensis

★柳にはわからぬことが多いよう
 クリルの名前ついているけど








アポイ樺(アポイカンバ)



アポイ樺(アポイカンバ)はカバノキ科カバノキ属の落葉小低木である。
カバノキ属は世界に40種くらいが分布する。
本種は日本固有種である。
北海道日高地方の様似町にあるアポイ岳のみに分布する。
氷河期からの遺存種である。
湿地性の谷地樺(ヤチカンバ)と高山性の岳樺(ダケカンバ)との雑種を起源とすることが明らかになっている。
環境省のレッドリスト(2012)では、「ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種」である絶滅危惧IA類(CR)に登録されている。
樹高は50センチくらいである。
幹は直立をせず、斜面を這うように広がる。
若い枝は褐色で、年数がたつと白っぽくなる。
葉は長さが2~4センチくらいで小さい。
葉の形は楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は鋭く尖り、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は5月である。
雄花序は黄褐色をしており尾状である。
雌花序は紅緑色をしており、直立する。
属名の Betula はケトル語の「betu(カバノキ)」からきている。
種小名の apoiensis は「アポイ岳の」という意味である。
写真は7月に北大植物園で撮った。
学名:Betula apoiensis

★いつの日か元気に立ちたいアポイ岳
 進化の不思議心行くまで




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蝦夷接骨木(エゾニワトコ)



蝦夷接骨木(エゾニワトコ)はスイカズラ科ニワトコ属の落葉低木である。
ニワトコ属は北半球を中心に世界に25種が分布する。
分類体系によっては(APGIII)レンプクソウ科とされる。
本種は北方領土を含む北海道から本州の関東地方北部にかけて分布し、山地の林の中や林の縁などに生える。
海外では、朝鮮半島や中国東北部、サハリン、カムチャツカにも分布する。
本州以南には、近縁種の接骨木(ニワトコ)が分布する。
樹高は3~5メートルくらいである。
根元から生える枝はよく枝分かれする。
葉は奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)で、向かい合って生える(対生)。
小葉は2~3組あり、形は長い楕円形で先が尖り、縁には細かいぎざぎざ(鋸歯)がある。
接骨木(ニワトコ)に比べると葉が大きく、ぎざぎざ(鋸歯)が粗い。
開花時期は5~6月である。
枝先に円錐花序(下のほうになるほど枝分かれする回数が多く、全体をみると円錐形になる)を出し、白っぽい小さな花をたくさんつける。
花径は5~7ミリで、先が5つに裂けて反り返る。
5本の雄しべと1本の雌しべが前に突き出る。
花の後にできる実は楕円形の液果(果皮が肉質で液汁が多い実)で、夏から秋にかけて赤く熟する。
枝や幹を薄く切って乾燥させたものは生薬で接骨木(せっこつぼく)といい、骨折や打撲の湿布薬などに使われる。
属名の Sambucus はギリシャ語の「sambuce(古代の楽器)」からきている。茎を林立した様子がこの楽器に似ていることから名づけられた。
種小名の racemosa は「総状花序の」という意味である。
亜種名の kamtschatica は「カムチャツカの」という意味である。
写真は7月に北大植物園で撮った。
学名:Sambucus racemosa subsp. kamtschatica

★蝦夷の名を戴く接骨木民族の
 歩みに寄り添い北に根づいて




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