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新・花の仲間調べ

仲間ごとに分類して季節の花をお届けします。

カテゴリー「カヤツリグサ科」の記事一覧

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姫寒萓(ヒメカンスゲ)



姫寒萓(ヒメカンスゲ)はカヤツリグサ科スゲ属(カレクス属)の多年草である。
カレクス属は世界におよそ2000種くらいが広く分布する。
日本にも寒萱(カンスゲ)など200を超える種や変種があり、属名の和名をスゲ属という。
本種は北海道の西南部から九州にかけて分布し、やや乾いた林の中などに生える。
海外では、朝鮮半島の南部にも分布する。
和名の由来は、常緑の萓で小形であることからきている。
草丈は20センチから30センチくらいである。
葉は線形で硬く、濃い緑色をしている。
葉は扁平で、艶はない。
開花時期は4月から6月である。
花茎を伸ばして小穂をつける。
茎先につくのは雄小穂で、褐色の棍棒状となる。
脇につく細い小穂が雌小穂で黄褐色である。
花の後にできる実は小堅果である。
属名の Carex はギリシャ語の「keirein(切る)」からきている。葉が鋭いことから名づけられた。
種小名の conica は「円錐形の」という意味である。
写真は5月に東京都薬用植物園で撮った。
学名:Carex conica

★目立たぬが見れば風情の溢れ出る
 姫寒菅に頬を緩めて



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西の本門寺菅(ニシノホンモンジスゲ)



西の本門寺菅(ニシノホンモンジスゲ)はカヤツリグサ科スゲ属(カレクス属)の多年草である。
カレクス属は世界におよそ2000種くらいが広く分布する。
日本にも寒萱(カンスゲ)など200を超える種や変種があり、属名の和名をスゲ属という。
本種は日本固有種で、西日本に多い。
本州の東北地方の西部から中国地方にかけてと四国に分布し、山地の林の中や道ばたに生える。
草丈は30センチから50センチくらいである。
茎は直立し、断面は三角形である。
匍匐はせず、大きな株をつくる。
葉は線形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尖り、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。
開花時期は6月から7月である。
花穂の色は緑褐色である。
和名の由来は、本門寺菅(ホンモンジスゲ)に似ていて西日本に多く分布することからきている。
本門寺菅(ホンモンジスゲ)の名は、日本人の最初に採集した場所が池上本門寺だったことからきている。
属名の Carex はギリシャ語の「keirein(切る)」からきている。葉が鋭いことから名づけられた。
種小名と変種名の stenostachys は「幅の狭い翼の」という意味である。
写真は6月に富山県中央植物園で撮った。
学名:Carex stenostachys var. stenostachys

★名を聞いて由来いかにと紐解けど
 やっと漢字にたどり着くまで




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弘法芝(コウボウシバ)



弘法芝(コウボウシバ)はカヤツリグサ科スゲ属の多年草である。
北方領土を含む北海道から沖縄にかけて分布し、海岸の砂地に生える。
海外では、サハリン、朝鮮半島、台湾、中国から東南アジア、オーストラリア、南アメリカにかけて広く分布する。
草丈は10センチから20センチくらいである。
地下茎は太くて長く、砂の中を這って広がる。
根際から生える葉は線形で硬く、白っぽい緑色である。
開花時期は4月から7月である。
茎先に茶褐色の雄小穂、葉の脇に緑色の雌小穂をつける。
和名の由来は、弘法麦(コウボウムギ)に似て小形であるところからきている。
弘法麦(コウボウムギ)は雌雄異株である。
「弘法」は弘法大師のことである。
土の中の根を筆にしたといわれ、それを達筆な弘法大師になぞらえたという。
属名の Carex はギリシャ語の「keirein(切る)」からきている。葉が鋭いことから名づけられた。
種小名の pumila は「小人のような」という意味である。
写真は6月に富山県の氷見市海浜植物園で撮った。
学名:Carex pumila

★根は太く砂にもぐって這い進む
 弘法芝は砂浜の草




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背高浜萱(セイタカハマスゲ)



背高浜萱(セイタカハマスゲ)はカヤツリグサ科カヤツリグサ属の多年草である。
カヤツリグサ属は世界に600種くらい分布する大きな属である。
本種はヨーロッパ中南部、地中海沿岸地方、南西アジア、北アフリカなどに分布し、湿地に生える。
日本でも、1984年に東京都江東区の埋立地で野生化しているのが確認されている。
日本にも分布する浜萱(ハマスゲ)に似ているが大形である。
また、根茎ができないのが特徴である。
草丈は20~120センチくらいである。
茎の断面は三角形である。
根際から生える葉は線形である。
開花時期は夏から秋である。
波状になった数枚の苞の上に細かく枝分かれした花序をつける。
小穂は暗い線形で、暗い赤褐色をしている。
属名の Cyperus はギリシャ語の「Cyperios」にちなむが、意味はわかっていない。
種小名の longus は「長い」という意味である。
写真は6月に都立木場公園の外来植物園で撮った。
学名:Cyperus longus

★浜萱もまだ見ていないがこの草は
 似ているらしい覚えておこう




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沼針藺(ヌマハリイ)



沼針藺(ヌマハリイ)はカヤツリグサ科ハリイ属の多年草である。
ハリイ属は200種から250種くらいが世界に広く分布している。
本種は北海道から九州にかけて分布し、低地や山地の沼沢地に生える。
海外では、ユーラシア大陸の温帯地域に広く分布する。
YListでは標準和名を大沼針藺(オオヌマハリイ)としている。
草丈は30~70センチくらいである。
茎は柔らかく、円柱形である。
葉は茎の下部で葉鞘になっていて目立たない。
地下には細い根茎が横に這う。
開花時期は5~8月である。
小穂は被針形または卵形で黒褐色を帯びる。
花の後にできる実は小堅果である。
属名の Eleocharis はギリシャ語の「eleos(沼)+charis(飾る)」からきている。この属の植物の多くが沼地性であることから名づけられた。
種小名の mamillata は「細かい乳頭状突起のある」という意味である。
変種名の cyclocarpa は「円い実の」という意味である。
写真は5月につくば植物園で撮った。
学名:Eleocharis mamillata var. cyclocarpa

★地味だけど集まり咲けば沼針藺
 ここにいるよと知らせるごとく




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