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新・花の仲間調べ

仲間ごとに分類して季節の花をお届けします。

カテゴリー「セリ科」の記事一覧

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白山防風(ハクサンボウフウ)

白山防風(ハクサンボウフウ)


白山防風(ハクサンボウフウ)はセリ科カワラボウフウ属の多年草である。
日本固有種である。
北方領土を含む北海道から本州の中部地方にかけて分布し、亜高山帯~高山帯の湿った草地などに生える。
草丈は20~60センチくらいである。
葉は1~2回3出複葉である。
3~9枚の小葉で1組の葉となる。
小葉は卵形で光沢があり、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は7~9月である。
茎先に複散形花序をつけ、白い小花をたくさん咲かせる。
散形花序というのは、茎先からたくさん枝が出て、その先に1個つずつ花がつく花序のことである。
複散形花序というのは、たくさん出た枝先に小さな散形花序がつくというように散形花序が組み合わさってできている。
複散形花序は、セリ科の多くに見られる特徴である。
花びらは5枚で、内側に曲がる。
名の由来は、白山で採集され、中国の薬用植物である「防風」に似ているということからきている。
写真は7月に岩手県の八幡平で撮った。
学名:Pencedanum multivittatum


★花びらの一つ一つを見てごらん
 とても可愛い白山防風



白山防風(ハクサンボウフウ)


花図鑑
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深山前胡(ミヤマゼンコ)

深山前胡(ミヤマゼンコ)


深山前胡(ミヤマゼンコ)はセリ科エゾノシシウド属の多年草である。
本州の関東地方から中部地方にかけて分布し、亜高山や高山の草地や砂礫地に生える。
草丈は30~60センチくらいである。
茎は中空でやや太い。
葉は2~5回3出羽状複葉である。
小葉の形は卵形で、ぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉の柄には葉鞘(茎を鞘状に包むような形になった葉のつけ根)があり、赤味を帯びるものもある。
開花時期は7~8月である。
茎先に複数の散形花序(枝先に1個つずつ花がつく)を出し、白い小さな5弁花を密につける。
「前胡」の名は漢名からきている。
写真は7月に中央アルプスの千畳敷カールで撮った。
学名:Coelopleurum multisectum


★どっしりと威厳をもって山に咲く
 深山前胡の白き閃光



深山前胡(ミヤマゼンコ)


花図鑑

茴香(ウイキョウ)

茴香(ウイキョウ)


茴香(ウイキョウ)はセリ科ウイキョウ属の多年草である。
原産地は地中海沿岸地方である。
日本へは奈良時代に薬用として渡来した。
ヨーロッパではローマ時代から栽培されていたという。
草丈は1~2メートルである。
葉は2回羽状複葉である。
羽状複葉は、鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並んで1枚の葉が構成される。
それが、もう1回枝分かれをして1枚の葉となる。
小葉は線形で糸状になる。
開花時期は6~8月である。
枝先に複散形花序を出し、黄色の小さな花をたくさんつける。
散形花序というのは、茎先からたくさん枝が出て、その先に1個つずつ花がつく花序のことである。
複散形花序というのは、たくさん出た枝先に小さな散形花序がつくというように散形花序が組み合わさってできている。
複散形花序は、セリ科の多くに見られる特徴である。
花は5弁花で、花びらは内側に曲がる。
雄しべは5本である。
花の後にできる実は楕円形で、香りが強い。
英名はフェンネル(fennel)である。
葉はハーブ、種子はスパイス、茎は野菜として利用される。
実は生薬の茴香(ういきょう)となり、健胃薬の成分として配合される。
俳句では「茴香の花」が夏の季語である。
写真は7月に東京都薬用植物園で撮った。
学名:Foeniculum vulgare


★茴香の広げる花は夏花火
 甘く切なくい香りにのせて



茴香(ウイキョウ)


花図鑑

甘茴香(アマウイキョウ)

甘茴香(アマウイキョウ)


甘茴香(アマウイキョウ)はセリ科ウイキョウ属の多年草である。
原産地は地中海沿岸地方で、南ヨーロッパから西アジアにかけて分布する。
基本種の茴香(ウイキョウ)は古代エジプトの時代から栽培されていたという。
草丈は1~2メートルくらいである。
全草に甘い香りがある。
葉は3~4回羽状に裂け、互い違いに生える(互生)。
裂片は糸状となって細かく、鮮やかな緑色をしている。
開花時期は6~8月である。
茎先に複数の散形花序(枝先に1個つずつ花がつく)を出し、傘のような形になって黄色の小さな花をつける。
英名はスイートフェンネル(sweet fennel)である。
フェンネルは「茴香」のことである。
別名をローマ茴香(ローマウイキョウ)ともいう。
葉はハーブ、種子はスパイス、茎は野菜として利用される。
俳句では「茴香の花」が夏の季語である。
写真は6月に東京都薬用植物園で撮った。
学名:Foeniculum vulgare var. dulce


★近づいてそっと香りを嗅いでみて
 甘く切なくあなたを包む



甘茴香(アマウイキョウ)


花図鑑

伊吹防風(イブキボウフウ)

伊吹防風(イブキボウフウ)


伊吹防風(イブキボウフウ)はセリ科イブキボウフウ属の多年草である。
北海道から本州の近畿地方にかけて分布し、山地の草原や岩場に生える。
最初に伊吹山で見つかったのが名の由来であるが、伊吹山は分布域から見ればほぼ南西限である。
草丈は40~100センチくらいである。
全体に毛がある。
葉は2~3回3出複葉で、小葉は細かく切れ込む。
3出複葉は1枚の葉が3つの小さな葉に分かれた形で、それをもう1~2回繰り返す。
開花時期は7~9月である。
複散形花序をつけ、小さな白い花を咲かせる。
散形花序というのは、茎先からたくさん枝が出て、その先に1個つずつ花がつく花序のことである。
複散形花序というのは、たくさん出た枝先に小さな散形花序がつくというように散形花序が組み合わさってできている。
複散形花序は、セリ科の多くに見られる特徴である。
花弁は5枚で、花弁の先は爪状に内側に曲がる。
根は生薬で和防風(わぼうふう)といい、発汗、解熱、鎮痛などの薬効がある。
海岸に生える浜伊吹防風(ハマイブキボウフウ)や高山に生える高嶺伊吹防風(タカネイブキボウフウ)などの変種がある。
写真は8月に志賀高原の東館山高山植物園で撮った。
学名:Libanotis coreana(=Libanotis ugoensis var. japonica)


★小柄でもセリ科の花の特徴は
 しっかりとらえ伊吹防風



伊吹防風(イブキボウフウ)


花図鑑

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