新・花の仲間調べ
仲間ごとに分類して季節の花をお届けします。
棈(アベマキ)
- 2015/11/24 (Tue)
- ブナ科 |
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棈(アベマキ)はブナ科コナラ属(クエルクス属)の落葉高木である。
クエルクス属は北半球の温帯から熱帯にかけて300種以上が分布する。
日本にも小楢(コナラ)などが分布し、属名の和名をコナラ属という。
本種は東北地方の南部から沖縄にかけて分布し、平地や山地に生える。
海外では、朝鮮半島、台湾、中国にも分布する。
和名の由来は、樹皮の凹凸をあばたに見立てたことからきている。
「アベ」はあばたの岡山県での方言、「マキ」は真木ないし薪ではないかと推測されている。
漢字では「阿部槇」とも書く。
樹高は10メートルから20メートルくらいである。
樹皮は灰黒色で、縦に割れ目が入る。
葉は細長い楕円形で長さが10センチから15センチくらいあり、互い違いに生える(互生)。
葉の先は芒状(のぎ:イネなどの小穂に見られる針のような棘)に尖り、縁には波状のぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉の表面は濃い緑色で艶があり、裏面は灰白色で星状毛(放射状に伸びる毛)が生える。
開花時期は4月から5月である。
雌雄同株である。
雄花は黄色くて房状に垂れ下がり、雌花は赤っぽく葉の脇につく。
結実期は9月から10月である。
実は堅果(皮が堅く、種と接触せずに種を包んでいる果実)で、ドングリの1つである。
ほぼ球形で直径は2センチくらいあり、下部はお椀のような殻に包まれる。
葉は秋には黄葉をする。
材は椎茸(シイタケ)栽培の原木とされたり薪炭材とされる。
櫟(クヌギ)に似ているが、樹皮に厚いコルク層ができて深い割れ目があり、葉の裏面に星状毛(放射状に伸びる毛)がある点が異なる。
かつてはコルクをとるために栽培されたこともある。
樹皮を乾燥させたものを生薬で樸そく(ぼくそく)といい、解毒、抗炎作用がある。
属名の Quercus はケルト語の「quer(良質の)+cuez(材木)」を語源とするこの属の一種のラテン古名からきている。
種小名の variabilis は「変化に富む」という意味である。
写真は11月に愛媛県の松山城で撮った。
学名:Quercus variabilis
★調べればますます奥が深くなる
木々とつながる人の営み
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要黐(カナメモチ)
- 2015/11/21 (Sat)
- バラ科 |
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要黐(カナメモチ)はバラ科カナメモチ属(フォティニア属)の常緑小高木である。
フォティニア属は北アメリカや東アジアなどに40種くらいが分布する。
日本にも本種などが分布し、属名の和名をカナメモチ属という。
本種は、太平洋側は伊豆半島から西、日本海側は福井県から西の本州、四国、九州に分布し、山地の尾根筋などに生える。
また、生垣や庭園木として植えられる。
海外では、中国にも分布する。
樹高は5メートルから8メートルくらいである。
葉は長い楕円形で柄があり、互い違いに生える(互生)。
葉の先は鋭く尖り、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉の質は革質で艶がある。
芽吹いた葉は紅色を帯びている。
ここから赤芽黐(アカメモチ)の別名がある。
落葉前にはまた紅葉する。
開花時期は5月から6月である。
白い小さな花を円錐状にたくさんつける。
花の姿を蕎麦(ソバ)に見立てて蕎麦の木(ソバノキ)の別名もある。
材は堅く、扇の要をつくるのに用いたという。
これが要黐(カナメモチ)の名の由来である。
花の後にできる実はほぼ球形のナシ状果で、秋から冬にかけて赤く熟する。
花言葉は「賑やか」である。
園芸品種のレッドロビン(Red Robin)は本種と大要黐(オオカナメモチ)との交配種で、紅要黐(ベニカナメモチ)とも呼ばれる。
属名の Photinia はギリシャ語の「photeinos(耀く)」からきている。艶のある葉の様子から名づけられた。
種小名の glabra は「無毛の」という意味である。
写真は11月につくば植物園で撮った。
学名:Photinia glabra
★生垣を染めるがごとく要黐
春と秋とに色づき燃えて
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鹿子木楓(カラコギカエデ)
- 2015/11/10 (Tue)
- カエデ科 |
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鹿子木楓(カラコギカエデ)はカエデ科カエデ属(アーケル属)の落葉小高木である。
分類体系によっては(APGIII)ムクロジ科とされる。
アーケル属は北半球の温帯を中心に150種くらいが分布する。
日本にもいろは楓(イロハカエデ)などが分布し、属名の和名をカエデ属という。
楓(カエデ)の名は蛙手(カエルデ)から変化したとする説が有力である。
本種は日本固有種である。
北海道から九州にかけて分布し、丘陵地や山地に生える。
基本種(Acer ginnala var. ginnala)はシベリアや中国東北部に分布する。
和名の由来は、「鹿子木(かのこぎ)」の転訛したもので、鹿の子状になる樹皮の様子からきている。
樹高は5メートルから8メートルくらいである。
樹皮は灰褐色でなめらかだが、やがて縦に割れ目が入る。
葉は楕円形で、しばしば3つから7つに浅く裂け、向かい合って生える(対生)。
葉の縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は5月から6月である。
雌雄同株で、葉の展開した後に花を咲かせる。
花の色は淡い黄緑色である。
花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)で翼がある。
属名の Acer は「裂ける」という意味のラテン語からきている。
種小名の ginnala はシベリアでの現地名からきている。
変種名の aidzuense は「会津産の」という意味である。
写真は11月に川口市立グリーンセンターで撮った。
学名:Acer ginnala var. aidzuense
★分厚くて先の尖った葉っぱだよ
なるほどこれも楓の仲間
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梶楓(カジカエデ)
- 2015/10/17 (Sat)
- カエデ科 |
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梶楓(カジカエデ)はカエデ科カエデ属(アーケル属)の落葉高木である。
分類体系によっては(APGIII)ムクロジ科とされる。
アーケル属は北半球の温帯を中心に150種くらいが分布する。
日本にもいろは楓(イロハカエデ)などが分布し、属名の和名をカエデ属という。
楓(カエデ)の名は蛙手(カエルデ)から変化したとする説が有力である。
本種は日本固有種である。
本州の宮城県から九州にかけて分布し、山地に生える。
また、庭木や公園樹として植えられる。
和名の由来は、葉が梶の木(カジノキ)に似ていることからきている。
別名を鬼紅葉(オニモミジ)という。
樹高は10メートルから15メートルくらいになる。
樹皮は灰褐色でなめらかである。
葉は五角形で手のひら状に3つから5つに裂け、向かい合って生える(対生)。
葉の縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は4月から5月である。
雄性同株で、葉の展開する前に花を咲かせる。
花の色は暗い紅色である。
花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)で翼があり、鋭角に開く。
秋には黄葉をする。
材は器具材として利用される。
属名の Acer は「裂ける」という意味のラテン語からきている。
種小名の diabolicum は「鬼の(大きく荒々しい)」という意味である。
写真は11月に川口市立グリーンセンターで撮った。
学名:Acer diabolicum
★大きくて立派な葉っぱが魅力だよ
鬼の名前にうなずきながら
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一葉楓(ヒトツバカエデ)
- 2015/10/13 (Tue)
- カエデ科 |
- CM(0) |
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- ▲Top
一葉楓(ヒトツバカエデ)はカエデ科カエデ属(アーケル属)の落葉高木である。
分類体系によっては(APGIII)ムクロジ科とされる。
アーケル属は北半球の温帯を中心に150種くらいが分布する。
日本にもいろは楓(イロハカエデ)などが分布し、属名の和名をカエデ属という。
楓(カエデ)の名は蛙手(カエルデ)から変化したとする説が有力である。
本種は日本固有種である。
和名の由来は、葉に手のひら状の切れ込みがないことからきている。
別名を丸葉楓(マルバカエデ)という。
本州の東北地方から九州にかけて分布し、山地に生える。
樹高は5メートルから10メートルくらいになる。
幹は直立し、樹皮は暗い灰色である。
葉は幅の広い楕円形で、向かい合って生える(対生)。
葉の先は尾状に尖り、縁には波状のぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は5月から6月である。
雄性同株で、葉の展開後に花を咲かせる。
花の色は淡い黄緑色である。
花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)で翼があり、鋭角に開く。
秋には黄葉をする。
属名の Acer は「裂ける」という意味のラテン語からきている。
種小名の distylum は「2つの花柱のある」という意味である。
写真は9月に会津若松市の御薬園で撮った。
学名:Acer distylum
★ちょいと見てとても楓と思えない
姿だけれどそれも可笑しく
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